脳出血の看護計画が書けず悩んでいませんか?
- OP・TP・EPの違いが分からない
- 記録例を見ても応用できない
- 指導者に「根拠が弱い」と言われた
この記事では
実習評価が上がる脳出血看護計画の作り方を具体例付きで解説します。
脳出血は脳卒中の中の1つです。
脳卒中は毎年、死因上位となる病気で寝たきりになる原因も脳卒中が毎年上位となります。
まずは実習でそのまま使える看護計画例を紹介します。
【実習用】脳出血の看護計画(例文)
看護問題
再出血リスク状態
目標
再出血を起こさず安定した状態で経過できる
OP(観察計画)
- 血圧変動
- 意識レベル
- 頭痛の有無
- 嘔吐の有無
- 麻痺進行
TP(援助計画)
- 安静保持
- 環境刺激最小化
- 排便コントロール
- 血圧管理
EP(教育計画)
- 急激な体動を避ける
- 排便時いきまない
- 頭痛出現時はすぐ報告する
⭐ 評価される書き方のポイント
再出血予防のため血圧変動を観察する
このように
「行動+目的」 をセットで書くと指導者評価が上がります。
このあと詳しく使えるテンプレが続きます。
1、脳出血とは
何らかの原因により脳の血管が破れて脳の中に出血を起こした状態です。
出血した血液が塊になることを血腫といいます。
血腫が脳内にできることで脳に直接ダメージを与えます。
血腫が大きくなったり脳浮腫により頭蓋内圧が高くなると脳が圧迫されてダメージを与えます。

脳にダメージなのだ
1).種類
- 被殻出血
- 視床出血
- 小脳出血
- 橋出血
- 皮質下出血「脳葉出血」
- 混合型脳出血「被殻出血+視床出血」
2).原因
高血圧症
安静時の血圧測定で慢性的に高い異常値がでる状態です。
静かに落ち着いている時に血圧を測定するといつも高い数値になります。

高血圧症について詳しくまとめてあるのだ
動脈硬化
動脈の内壁が肥厚し硬化した状態です。
動脈の壁が肥厚すると血液の流れが悪くなり、硬化すると血管の柔軟性が失われ、心臓から送り出される圧力に耐えられなくなります。

動脈硬化について詳しくまとめてあるのだ
脳アミロイド血管症
アミロイドはタンパク質の1種です。
アミロイドにより動脈は傷つきます。
アミロイドが蓄積して脳の動脈に沈着することで脳機能障害を起こします。
脳動静脈奇形
先天性脳血管疾患の1つです。
ナイダスと呼ばれる脳血管奇形があり動脈と静脈が直接つながっている状態です。
異常な血管のかたまりでナイダスが破れることで出血します。
その他の危険因子
- 糖尿病
- 脂質異常症
- メタボリックシンドローム
- 喫煙
- 飲酒
- ストレス
- 運動不足
- 睡眠不足

まとめてあるのだ
2、脳出血によるリスク
1).頭蓋内圧亢進
頭蓋内圧は脳や血液、髄液により生じています。
この圧力が「浮腫」「腫瘍」「血腫」「膿瘍」などで高くなる状態です。
頭蓋内圧亢進の三徴候
- 頭痛
- 嘔吐
- うっ血乳頭「視神経乳頭の腫脹」

三徴候は覚えておくのだ
脳ヘルニア
ヘルニアとは臓器があるべき場所からなんらかの原因により脱出することです。
頭蓋内圧が高くなることであるべき場所の脳が脳の中の境界や隙間といった隣接する空間に押し出され脱出した状態になります。
2).高次脳機能障害
- 失語
- 失認
- 失行
- 半側空間無視
- 注意障害
- 記憶障害
- 遂行機能障害
- 地誌的障害
- 行動と情緒の障害

高次脳機能障害についてまとめてあるのだ
3).再発性脳出血
脳出血を再び起こす状態です。
4).誤嚥性肺炎
気管や肺に誤って唾液や飲み物、食べ物などが入り込むことを誤嚥と言います。
細菌なども一緒に入り込みます。
感染や異物により肺が炎症を起こすと誤嚥性肺炎になります。

高齢者に多いのだ
5).褥瘡
寝たきりなどにより、重力で骨と皮膚表層の間の軟部組織が圧迫されます。
圧迫されている状態が長く続くと、血液の流れが悪くなったり滞ります。
血液が行き届かないと皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行かなくなるため皮膚の状態に発赤や潰瘍などができる状態です。

時間を決めて体位変換をするのだ
3、症状
突然に起こる半身麻痺や感覚の異常、意識状態低下、呼吸障害、言語異常、歩行障害、視界狭小、頭痛、めまい、嘔吐、痙攣などです。
1).障害された部位による症状

障害された部位によって症状が少し違うのだ
4、検査
- 採血
- 頭部XーP
- 頭部CT
- ヘリカルCT
- 頭部MRI、MRA
5、治療
1).急性期
- 降圧療法
- 開頭血腫除去術
- 定位的脳内血腫除去術
- 脳内血腫吸引術
- 抗脳浮腫療法
- 脳血管リハビリテーション療法
2).回復期
- 脳血管リハビリテーション療法
- 再発予防
3).慢性期
- 脳血管リハビリテーション療法
- 再発予防
6、看護のポイント
1).応急処置
脳出血の治療は時間との戦いになります。
早く治療すればするほど治療効果が高く後遺症も少なくなります。
救急車を呼び一刻も早く病院に連れて行きます。

ポイントなのだ
ポイント
救急車が来る前に次のことをします。
- 安全な場所に移動する
- ネクタイや衣類などを緩めて呼吸の確保をする
- 嘔吐がある場合、麻痺側を上にして側臥位にする
2).意識障害
意識の混濁や変容、JCSやGCSで意識レベルをみます。

意識障害を確認するのだ
意識障害がある場合、舌根沈下となりやすく気道を塞ぐリスクが高いです。
呼吸困難や自発呼吸の停止などの状態に合わせて気管内挿管や人工呼吸器、酸素吸入などの治療や援助が必要となります。
3).体温
発症直後は体温が低くなり、時間の経過とともに体温が上昇する場合があります。
体温差が大きいほど死亡率の増加や機能障害の悪化など予後に関連しています。

38.5℃以上になる場合は注意が必要なのだ
4).呼吸
呼吸数が40回/分以上や6回/分以下は急変している可能性が高くなります。
呼吸のリズムや性状を観察して異常呼吸の有無を観察します。

呼吸の観察は重要なのだ
5).血圧
脳出血になると血圧が高くなることが多いです。
BP130/80mmHgを維持できるように管理します

血圧管理は重要なのだ
6).瞳孔
瞳孔の大きさが左右で異なったり形がいびつ、位置が離れている、対光反射の減弱などがあります。

ペンライトを使うのだ
瞳孔の著しい状態変化は急変の可能性があります。
7).症状予想
意識障害がある人でも脳の障害部位により出現する症状を予想できます。
状態が安定したら実際に現れる症状を確認、観察して援助をします。

必要な援助を考えるのだ
8).再発予防
脳出血は再発する確率が比較的高いです。

1年後で約25%
10年後で約55%
と言われているのだ
再発をするとさらに脳を傷つけて障害が重くなります。
再発予防のために規則正しい生活習慣や予防薬剤を内服、危険因子の排除をします。
9).家族や関わりのある方への配慮
障害が残り今まで通りの生活ができなくなったり意識が戻らない場合や亡くなる場合などがあるため十分配慮して関わる必要があります。
10).高評価のポイント
脳出血の看護で押さえるべきポイントは3つ。
- 再出血リスク
- 意識障害
- 麻痺・嚥下障害
👉 つまり看護問題は主に
生命維持+安全管理+機能回復
7、看護計画
下記の項目から対象者を当てはめ、必要な項目を詳しく考えていきます。
指導者が最もチェックする部分です。
| 種類 | 目的 | 内容 |
|---|---|---|
| OP | 状態観察 | バイタル・意識レベル |
| TP | 看護介入 | 援助内容 |
| EP | 指導 | 患者教育 |
1).O-P
身体症状
- 体温
- 脈拍
- 血圧
- 呼吸
- 意識レベル
- 意識障害の有無
- 脳出血の症状やその変化
- 褥瘡の有無
- 瞳孔の状態
- 術後の経過
- 原因や誘引の有無

精神症状
- 脳出血の症状やその変化
- 障害による人格変容
- 高次脳機能障害
生理的状態
- 排尿
- 排便
生活因子の状態
- 食事摂取量
- 水分摂取量
- 補食の有無
- 喫煙の有無
- 飲酒の有無
- 睡眠状況
- 活動と休息のバランス
治療に関すること
- 治療方法の効果
- 診察や検査結果からの変化
- 治療や検査など患者「家族」の思い
- 点滴の滴下や刺入部の観察
- 薬剤による副作用
- 酸素療法によるリスク
2).T-P
日常生活の援助
自分でできる方であれば日常生活の援助はあまり必要ありませんが「身体的理由」「精神的理由」「病識欠如」「意欲低下」などの理由でできない方は援助をしていきます。
- 洗面
- 口腔ケア
- 整容
- 食事
- 排泄
- 入浴
- 更衣
環境の調節
- 温度
- 湿度
- 刺激を抑えるためカーテンを閉める
障害内容による看護
- おむつ交換
- コミニケーション方法の確立
- 食事介助
- 体位変換
- 歩行介助
- 入浴介助
その他の援助
- 感染予防対策
- 服薬状況の管理
- ストレスの発散方法
- 排便コントロール
- 排便習慣の確立
- 脳血管リハビリテーションの実践
- 家族や関わりのある方への配慮
3).E-P
- 食事療法
- 運動療法
- 禁煙
- 規則正しい生活習慣
- 薬物療法
- 脳出血の症状の報告をしてもらう
- 退院後の生活
- 節酒や断酒
- 排便時のいきみ
4).ポイント
- 急性期や回復期、慢性期と、それぞれに合わせた計画の立案
- 合併症の予防や早期発見できる観察
- 実践可能な立案
- 個別性な立案
- 生活習慣に合わせた指導内容
- ストレス軽減になる思考方法や解消方法の確立
- 薬剤の副作用に合わせた指導内容
- 原因となる因子の排除に向けた計画内容
- 自立に向けた援助や指導内容
- 退院後の生活における社会資源の活用
8、看護計画のテンプレ
① 再出血リスク状態(最優先)
目標
再出血を起こさず安定した状態で経過できる
OP(観察)
- 血圧変動
- 意識レベル
- 頭痛の有無
- 嘔吐の有無
- 麻痺の進行
TP(援助)
- 安静保持
- 環境刺激最小化
- 排便コントロール
- 血圧管理
EP(指導)
- 急激な体動回避
- いきみ防止
- 頭痛時の報告
⭐ 評価されるポイント
再出血予防のため血圧変動を重点観察する
② 誤嚥リスク状態
目標
誤嚥を起こさず安全に経口摂取できる
OP
- 嚥下時むせ
- 咳反射
- 痰の性状
- 食事摂取量
- SpO₂
TP
- 食事時座位保持
- とろみ食調整
- 口腔ケア
- 摂食速度調整
EP
- ゆっくり食べる指導
- 食後すぐ横にならない
- むせ時の対応説明
⭐ 評価されるポイント
食事ごとに嚥下状態を観察し、誤嚥予防に努める
③ 身体可動性障害
目標
転倒なく安全に移動できる
OP
- 麻痺側筋力
- バランス
- 歩行状態
- 疲労度
- 痛み
TP
- 体位変換介助
- 歩行練習介助
- 関節可動域訓練
- 装具使用支援
EP
- 麻痺側保護方法
- 転倒予防方法
- 自主リハ方法
⭐ 評価されるポイント
移動時は必ず介助を行い安全確保する
④ 頭蓋内圧亢進リスク状態
目標
頭蓋内圧上昇兆候なく経過できる
OP
- 瞳孔径
- 意識レベル
- 血圧・脈拍
- 頭痛
- 嘔吐
TP
- 頭部挙上
- 頸部圧迫回避
- 刺激最小化
- 排便管理
EP
- いきみ防止
- 安静の必要性説明
- 症状出現時報告指導
⭐ 評価されるポイント
頭蓋内圧上昇を防ぐため刺激を最小限にする
⑤ セルフケア不足
目標
可能な範囲で日常生活動作を行える
OP
- 食事動作
- 更衣動作
- 清潔保持
- 疲労度
- 意欲
TP
- 段階的ADL訓練
- 自助具使用支援
- 成功体験促進
- 必要時部分介助
EP
- 自立の重要性説明
- 自宅生活を想定した練習
- 家族への介助方法指導
⭐ 評価されるポイント
可能な動作は自力で行い、ADL向上を目指す
⑥ コミュニケーション障害(回復期向け)
目標
意思疎通ができる範囲で日常生活を円滑に行える
OP
- 発話の明瞭さ
- 表情・ジェスチャー
- 理解力
- 反応速度
TP
- 簡単な言葉・ジェスチャー使用
- 書字や絵カードによる補助
- 反復練習
EP
- コミュニケーション方法の説明
- 家族への対応方法指導
⭐ 評価されるポイント
言語障害や構音障害に合わせ、意思疎通ができる工夫を行う
上記の看護計画例は、脳出血患者における実習で頻出のパターンです。
患者の状態や優先順位に応じて、計画の順序や重点を調整してください。
他疾患や追加の看護問題については、下記関連記事も参考にしてください。
実習評価が上がる使い方
全部書く必要はありません。
患者に合わせて2〜3個選ぶのが正解です。
推奨組み合わせ
- 急性期 → ①+②+④
- 回復期 → ②+③+⑤
👉 この選び方を書くと評価が上がります
(理由=優先順位を理解していると判断される)
指導者が一番評価するポイント
看護計画で最も重要なのは量ではなく
問題選択の理由
例(加点される一文)
本患者は発症直後であり再出血リスクが高いため最優先問題と判断した。
この1文があるだけで
評価が1段階上がります。

脳出血の原因を調べて再発防止に努めるのだ












