頭頂葉、前頭葉、側頭葉、後頭葉が障害されると出現する症状をまとめました。
大脳皮質は脳の一部です。
脳卒中などで障害されるとどのような症状が出現するのでしょうか。
1、大脳皮質とは
大脳の表面に広がる神経系細胞で灰白質の薄い層のことです。
1.5〜4mmの層で大脳基底核の灰白質の周りを覆っています。
1).大脳皮質の種類
- 頭頂葉
- 前頭葉
- 側頭葉
- 後頭葉
2、頭頂葉
1).機能
主な働きは2つなのだ
- 触覚、痛覚、圧覚、温度感覚などの体性感覚に関する機能
- 身体の姿勢や手足の位置などを認識する空間認識や時間認識に関する機能
2).障害されると出現する症状
知覚障害
刺激が異常に強く感じる「知覚過敏」刺激の感覚が鈍くなる「知覚鈍麻」刺激が無いのに痛みや痺れを感じる「異常知覚」などです。
失行
身体能力と行う意思はあるにも関わらず障害前はできた動作が意図的にできなくなる状態のことです。
失認
1つの感覚で対象を認識することができない、認識が低下する状態のことです。
ゲルストマン症候群
失書:文字が書けない
失算:計算ができない
手指失認:手指が認識できない
左右失認:左右わからない
3、前頭葉
1).機能
主な働きは3つなのだ
- 四肢や体幹などの運動機能
- 言語機能
- 記憶や思考、判断、感情などに関連する機能
2).障害されると出現する症状
運動性麻痺
骨格筋による随意運動が喪失した状態です。
- 完全麻痺
- 随意運動が完全喪失した状態
- 不全麻痺
- 運動性麻痺が部分的であったり程度が不完全な状態
- 単麻痺
- 運動性麻痺が1肢に出現する状態
- 片麻痺
- 運動性麻痺が片側に出現する状態
- 対麻痺
- 運動性麻痺が両下肢に出現する状態
- 交代性片麻痺
- 運動性麻痺が片側で脳神経麻痺の出現が反対に出現する状態
- 例えば「顔が右麻痺、それ以外が左麻痺」といった状態
- 交叉性片麻痺
- 運動性麻痺が上肢と下肢で左右別に出現する状態
- 四肢麻痺
- 運動性麻痺が四肢に出現する状態
運動性失語「ブローカ失語」
国試に良くでるのだ
言語障害の1つで「聴く」「話す」「読む」「書く」という言語障害が出現します。
それまで意識せずに行っていたコミュニケーションが困難となり、日常生活を送る上で支障となる状態のことです。
左大脳半球の下前頭回に「ブローカ野」があります。
右利きの人は左大脳、左利きは右大脳にあるとされているけど例外もあるのだ
ほとんどは左大脳にあるのだ
会話する量が少なく努力性でたどたどしい話し方をします。
聴覚的理解力はあまり障害されていないのが特徴です。
- ブローカー野
- 左大脳半球・下前頭回
- 理解力あるがたどたどしい
を覚えるのだ
性格や人格の変化
性格や人格が変わります。
情緒障害
情緒とは感情や気分のことです。
情緒の現れ方が「偏る」「激しい」などで社会生活において支障となる障害です。
4、側頭葉
1).機能
主な働きは4つなのだ
- 言語機能
- 聴覚機能
- 嗅覚機能
- 記憶に関連する機能
2).障害されると出現する症状
感覚性失語「ウェルニッケ失語」
国試に良くでるのだ
「聴く」「話す」「読む」「書く」という言語障害が出現します。
それまで意識せずに行っていたコミュニケーションが困難となり、日常生活を送る上で支障となる状態のことです。
左大脳半球の上側頭回に「ウェルニッケ野」があります。
右利きの人は左大脳、左利きは右大脳にあるとされているけど例外もあるのだ
ほとんどは左大脳にあるのだ
なめらかな話ができますが会話の内容は乏しいです。
聴覚的理解力へ障害されているのが特徴です。
- ウェルニッケ野
- 左大脳半球・上側頭回
- 理解力ないがなめらか
を覚えるのだ
錯語
言いたい言葉を違う言葉として発語することです。
新しい単語や意味のない言葉を発語するのも錯語になります。
例えば
「えんぴつ」を「とけい」「えんいつ」「あつぽん」と言ったり「あががにぽぽ」と言う
錯読
文字を読み間違えることです。
例えば
「鉛筆」を「つくえ」と読む
錯書
文字を書き間違えることです。
例えば
「鉛筆」と書きたいのに「机」と書く。
聴覚障害
難聴など音が聞こえづらい障害です。
嗅覚障害
- 嗅覚低下
- においをあまり感じとれない状態
- 嗅覚欠如
- においを感じとることができない状態
- 嗅覚過敏
- においに過敏になる状態
- 嗅覚錯誤
- 本当のにおいではないのに誤って認識する状態
5、後頭葉
1).機能
主な働きは1つなのだ
- 視覚機能
2).障害されると出現する症状
視覚障害
見える範囲が狭くなったり欠けたりします。
視覚性失認症
- 知覚型視覚性失認
- 見た対象の形がわからない状態
- 模写ができないのが特徴
- 統合型視覚性失認
- 見た対象を1つの集まりとしてはわからないが部分的にその形はわかる
- 部分的に見える形を関連付けれない状態
- 模写はできるが部分的にバラバラに模写するのが特徴
- 連合型視覚性失認
- 見た対象の形はわかるがその意味を結びつけることができない状態
- 模写はできるがその物の意味を認識することができないのが特徴
脳の機能は難しいのだ…