「交換」「副交感」神経について、看護師が必要な知識をまとめました。
身体の中でどのような役割をしているのでしょうか。
聞いたことあるけど詳しくは知らないのだ
1、自律神経とは
自律神経とは交感神経と副交感神経のことです。
自律神経って総称なのだ
自分の意思とは関係なく動くため植物神経とも呼ばれています。
1).交感神経系
交感神経線維は胸髄のT1〜12、腰髄のL1〜3の側角からそれぞれ臓器などの効果器まで伸びています。
Tは「Thoracic」胸部なのだ
Lは「Lumbar」腰椎なのだ
節前線維
ニューロン交代の前までの交感神経線維のことです。
節後線維
ニューロン交代後から効果器までの交感神経線維のことです。
副腎
節後線維がなく節前線維により直接支配されています。
2).副交感神経系
副交感神経線維は中脳や延髄、仙髄からそれぞれ臓器などの効果器まで伸びています。
節前線維
ニューロン交代の前までの交感神経線維のことです。
節後線維
ニューロン交代後から効果器までの交感神経線維のことです。
2、働き
1).交感神経
外界の変化に適応するため緊急時に優位となり全身の活動力を高めます。
活動している時なのだ
交感神経優位
- 瞳孔散大
- 少量で粘液性の「濃い」唾液分泌
- 血圧上昇
- 心拍数上昇
- 抹消血管収縮
- 冠状動脈拡張
- 気管支拡張
- 消化管蠕動運動抑制
- 消化液分泌抑制
- グリコーゲン分解による血糖上昇
- 立毛筋収縮による鳥肌
- インスリン分泌抑制
- 排尿排便回数減少
- 射精
- 発汗
- アドレナリン分泌
- ノルアドレナリン分泌
2).副交感神経
生命の維持をするため、安静時に優位となりリラックスして全身の生命維持力を高めます。
休んでいる時なのだ
副交感神経優位
- 瞳孔縮小
- 大量で水液性の「薄い」唾液分泌
- 血圧下降
- 心拍数減少
- 抹消血管拡張
- 冠状動脈収縮
- 気管支収縮
- 消化管蠕動運動亢進
- 消化液分泌
- グリコーゲン分解による血糖下降
- 立毛筋弛緩
- インスリン分泌
- 排尿排便回数増加
- 勃起
- 発汗抑制
- アセチルコリン分泌
3、乱れる原因
1).不規則な生活
人間社会には「安く質の悪い食べ物」「夜更かしをしてしまう娯楽」などがあります。
これらは栄養バランスや生活リズムを崩す原因になります。
他にも暴飲暴食や寝不足、昼夜逆転などさまざまな原因により健康を害します。
規則正しい生活は大切なのだ
もともと人は一定のリズムで生活しています。
自律神経はそのリズムに合わせて無意識にバランス良く働いています。
生活リズムが崩れることで自律神経がうまく働かず、調節ができなくなります。
2).ストレス
社会生活の中にストレスは必ずあります。
ある程度のストレスは人を成長させるために必要ですが人は社会生活をする中で過剰にストレスを受けることがあります。
過剰なストレスを受けることで自律神経の働きがうまく調節できなくなります。
さまざまなストレスがあるのだ
身体的ストレス
- 過労
- 事故
- 病気
精神的ストレス
- 人間関係
- 仕事の悩み
- 不安
感覚的ストレス
- 光
- 音
ストレスが身体に及ぼす影響
ストレスを受けると神経から情報伝達物質としてノルアドレナリンが放出されます。
脳全体にある神経からノルアドレナリンは分泌するのだ
ノルアドレナリンにより交感神経が優位となります。
交感神経優位により副腎髄質はアドレナリンやノルアドレナリンを分泌し血圧を上昇させます。
常にストレスを感じていると睡眠や休息をとりたい時でも交感神経優位となり活動している時と同じような状態になります。
常に活動している状態になり休息することができずに身体に負担がかかります。
寝れなくなると辛いのだ
3).ホルモン
人間は無意識にバランス良くホルモンを分泌しています。
不規則な生活やストレスでホルモンバランスは崩れますが、加齢や病気などでもホルモンバランスは崩れます。
ホルモンバランスに乱れにより自律神経のバランスも崩れその働きがうまく調節できなくなります。
ホルモンも関わっているのだ
4、自律神経の乱れによる症状
1).身体的症状
- 慢性的な疲労
- 倦怠感
- 偏頭痛
- 肩こり
- 動悸
- めまい
- 耳鳴り
- 不眠
- 消化器症状
- 泌尿器症状
- 皮膚疾患症状
- 生理不順
- 不正出血
2).精神的症状
- 慢性的なイライラ
- 不安
- 気分障害
- あせり
5、自律神経のコントロール
生活習慣を見直してバランスの良い食事や十分な睡眠をとります。
ストレス発散や瞑想、定期的にリラックスをします。
治療方法は薬物療法やリラクゼーション、バイオフィードバック療法などがあります。
リラックスした状態を意識的にできればストレスを発散でき自己コントロールをしている自信がつきます。
活動と休息のバランスは大切なのだ