記載内容:1、胎児循環 2、胎児成長 3、母体由来の免疫グロブリン 4、標準的発育 5、原始反射 6、姿勢反射 7、母乳栄養 8、大泉門 9、小泉門
看護師国家試験の対策は過去の問題にあります。
過去の問題と同じ傾向の問題が良く出題されるので、まずは過去の問題からポイントを覚えます。
問題と答えを覚えるのではなくポイントを覚えることで違う形式で問題が出題されても柔軟に対応できます。
1、胎児循環
肺が機能していないため肺を介さないで血液を循環しています。
胎児は各器官が未発達であるため胎盤が呼吸器、消化器、泌尿器などの役割をしています。
臍動脈は2本、臍静脈は1本あります。

ほとんどが静脈血と動脈血の「混合血」なのだ
1).卵円孔
右心房と左心房の間の壁に穴が開いていています。
この穴のことです。
2).動脈管
ボタロー管のことです。
肺動脈と大動脈をつないでいます。
3).静脈管
アランチウス管のことです。
臍静脈と下大静脈をつないでいます。
混合血ではなく動脈血が流れています。
4).ポイント
卵円孔は「右心房と左心房の間」にあることを覚えます。
酸素を最も多く含む血液は「臍静脈」で「胎盤から胎児に血液を送る」ことを覚えます。
臍動脈は「胎児から胎盤に血液を送る」ことを覚えます。
2、胎児成長
1).妊娠8週
ドプラ法で心音が聴取できるようになります。
妊娠12週以降はほとんど聴取できます。
2).妊娠16週
胎盤が完成します。
呼吸様運動がみられます。
3).妊娠36週
頭位が固定されます。
肺表面活性物質が十分に分泌されます。

肺表面活性物質は肺サーファクタントのことなのだ
4).ポイント
過去の問題で出題された正解答の選択肢を覚えます。
胎児成長
1、妊娠16週
- 胎盤の完成する
- ドプラ法で心音を聴取できる
2、妊娠24週
- 呼吸様運動がみられる
3、妊娠36週
- 十分な肺表面活性物質が分泌されている
3、母体由来の免疫グロブリン
母親から受け取ることができる免疫グロブリンのことです。

母体由来は「母親から」ということなのだ
1).IgG
胎児の時に胎盤から受け取ります。
出生後徐々に減少しますが自己で生産します。
生産力が未熟であるため出生後から徐々に減少しますが生後約3ヶ月ごろから生産力が多くなり増加します。
母親由来のIgGは生後約6ヶ月で無くなります。
出生直後に1番多く徐々に減少、3ヶ月頃に母親由来と自己生産のIgGが入れ替わるためIgG量が1番少なくなり徐々に増加します。
5〜6歳で成人と同じレベルになります。
2).IgA
出生後、母乳から受け取ります。
初乳に多く含まれています。
生後ゆるやかに増加します。
10歳で成人と同じレベルになります。
3).ポイント
「IgG」「IgA」は母親由来であることを覚えます。
「IgG」「IgA」のことを覚えます。
出生後「IgM」の生産は早く1歳で成人と同じレベルになります。
4、標準的発育

生まれた時は身長50cm、体重3kgで覚えておくのだ
1).身長
1歳:75cm「1.5倍」
4歳:100cm「2倍」
2).体重
超低出生体重:1000g未満
極低出生体重:1500g未満
低出生体重:2500g未満
3ヶ月:6kg「2倍」
1歳:9kg「3倍」
3).ポイント
3ヶ月で体重が「2倍」であることを覚えます。
1歳で身長が「1.5倍」体重が「3倍」であることを覚えます。
4歳で身長が「2倍」であることを覚えます。
5、原始反射
大脳機能が未発達である新生児に起こる反射のことです。

原始反射と姿勢反射があるからそれぞれをしっかり覚えるのだ
1).モロー反射
大きな音や明るい光、頭部が下がるなど外部からの刺激があると「上肢を広げて抱きつく」反射のことです。
生後3ヶ月で消失します。
2).バビンスキー反射
足底の踵からつま先の方向へこすると「親指は背屈し他の指は開ける」反射のことです。
生後12〜24ヶ月で消失します。
3).手掌把握反射
手のひらに物が触れると「ぎゅっと握り締める」反射のことです。
生後4〜5ヶ月で消失します。
4).足底把握反射
足指のつけ根あたりを圧迫すると「ぎゅっと屈曲する」反射のことです。
生後9〜10ヶ月で消失します。
5).足踏み反射
自動歩行反射のことです。
両脇の下を支えて足底を床に軽く触れ、身体を前かがみさせると「歩く動作をする」反射のことです。
生後1〜2ヶ月で消失します。
6).非対称性緊張性頸反射
仰臥位で寝かせて頭部を左右どちらか一方方向に顔を向けると、「顔を向けた側の手足は伸展、反対側の手足は屈曲する」反射のことです。

フェイシングの構えみたいなのだ
生後2〜3ヶ月で消失します。
7).ポイント
消失期間など解答が曖昧な場合は出題されにくいです。
モロー反射は過去の問題で「生後3ヶ月で消失」と出題されたことがあるため覚えます。
原始反射はまだあるので、余裕があれば他も覚えます。
6、姿勢反射

「反射」と「反応」まぎらわしいのだ
1).視性立ち直り反応
乳児を座らせ左右に傾けると「頭部を垂直にしようとする」反応のことです。
2).パラシュート反応
両脇を支えた状態で水平を保ち急に頭を下げる、転ぶなどの時に「手を広げて体を支えようとする」反応のことです。
3).ランドー反応
腹部を抱えて水平腹臥位にすると「頚部後屈、頭部挙上、体幹と下肢が伸展する」反応のことです。
ランドー反応の時に頚部を前屈すると体幹と下肢が屈曲します。
4).ホッピング反応
立った状態で前後左右に倒れそうになると「倒れないように足を踏み出す」反応のことです。
5).ポイント
過去の試験で出題された選択肢は「反応」ではなく「反射」と表記されることが多くあります。

言葉の意味をしっかり覚えるのだ
7、母乳栄養
1).ビタミンD
ビタミンDは日光にあたることにより作られますが、日焼けをしないために日光を避ける場合はビタミンDが不足しやすいです。
「母乳に十分に含まれいない」「妊娠時期に母親がビタミンD不足」などの理由で不足しやすいです。
過去の問題ではあまり出題されていません。
2).ビタミンK
胎盤通過性が悪く新生児は肝臓にビタミンKの備蓄が少ないです。
「母乳に十分に含まれいない」「腸内細菌叢が未完成」などの理由で不足しやすいです。
ビタミンK不足を補うために「出生時」「生後1週間」「生後1ヶ月」の3回にビタミンK2シロップを与薬します。
3).ポイント
ビタミンK不足により「新生児メレナ」のリスクが高いことを覚えます。
新生児出血性疾患の予防のため「ビタミンK2シロップ」を与薬することを覚えます。

ビタミンK2シロップを与薬する時期も覚えるのだ
8、大泉門
1).部位
頭頂骨と前頭骨に囲まれた所
2).閉鎖時期
1歳6ヶ月
3).ポイント
大泉門膨隆で「髄膜炎」「頭蓋内圧亢進」を覚えます。
大泉門陥没で「脱水症」を覚えます。
早期閉鎖で「小頭症」を覚えます。
9、小泉門
1).部位
頭頂骨と後頭骨に囲まれた所
2).閉鎖時期
生後2ヶ月
3).ポイント
過去の問題ではあまり出題されていません。

勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ