看護学生は実習が必ずあります。実習中は指導者に嫌われるとかなり辛く、中には挫折する学生もいます。
そこで「メラビアンの法則」という法則があります。
指導者や教員、受け持ち患者、学生同士など、人間関係を上手く構築することが実習を円滑に進めるコツの1つになります。
1、メラビアンの法則とは
印象は3〜5秒で決まると言われていますが、人の行動が他人にどう影響しているか判断する研究結果を法則化したものです。
アルバート・メラビアンが提唱し「3Vの法則」「7-38-55ルール」とも呼ばれています。
2、印象を決める3要素
コミュニケーションで受け取る情報は「言語」だけではなく「視覚」「聴覚」の情報も受けとります。
それぞれの情報は言語情報「7%」聴覚情報「38%」視覚情報「55%」という割合で印象に影響を与えます。
- 言語情報「verbal」ー7%
- 聴覚情報「vocal」ー38%
- 視覚情報「visual」ー55%
1).印象
印象の強さは「視覚」「聴覚」「言語」の順になります。
この3要素を一致させることで相手に好印象を与えることができます。
3要素に矛盾があった時、相手の受ける印象はどうなるのでしょうか…
2).3要素の矛盾
例えば「怒っているぞ」と相手に伝える時に
言語「7%」は、怒っているぞ「怒り」
聴覚「38%」は、優しい声「優しい」
視覚「55%」は、優しい表情「優しい」
で相手に伝えた時の印象はどうなるのでしょうか?
答えは優しい印象になります。
視覚情報と聴覚情報は「優しい」であるため93%は優しいと印象付けられます。
逆に、「怒っていない」と相手に伝える時に
言語「7%」は、怒っていない「優しい」
聴覚「38%」は、怒っている声「怒り」
視覚「55%」は、怒った表情「怒り」
で相手に伝えた時の印象は「怒っている」です。
3、3要素
印象を良くするために次のことを心がけます。
当たり前のことが難しいのだ
1).言語情報
- 正しい言葉を使う
- 失礼のない言葉を使う
- 相手が喜ぶ言葉を伝える
- 相手の話し方に合わせることも大切
など
2).聴覚情報
- 相手の名前を呼ぶ
- 話すテンポは相手に合わせる
- 声のトーンは1トーン高めで
- 会話をつなぐ「あー」「えーっと」は言わない
など
3).視覚情報
- 表情
- 姿勢
- 身だしなみ
- しぐさ
- 態度
- 目を合わせる
- 相手の話にうなづく
など
4、良くある間違い
- 非言語コミュニケーションだけ重要×
- 見た目が重要×
コミュニケーションを行う時にやりとりしている情報は「言語」「非言語」によるコミュニケーションになります。
言語は言語情報「7%」非言語は聴覚情報「38%」と視覚情報「55%」になります。
つまり言語コミュニケーションは「7%」で非言語コミュニケーションは「93%」で印象を与えるため、非言語コミュニケーションを優先してコミュニケーションをすれば良いと考える方がいますが、これは間違いです。
この部分だけに注目したり、拡大解釈するなどでコミュニケーションに失敗する方がいます。
メラビアンの法則はコミュニケーションをする上で「情報に矛盾がある場合、何を優先して印象付けるのか」ということです。
コミュニケーションにおいて大切なことは正しい言語と適切な非言語コミュニケーションになります。
意識することが大切なのだ