ヨガは美容健康、ダイエットに効果があるとされています。なんとなく身体に良いことは誰でも知っていると思いますが、具体的に聞かれるとわからない方が多いのではないでしょうか。
ヨガ本来の目的や効果を解説していきます。
1、ヨガの目的
ヨガはサンスクリット語の「ユジュ」から派生した言語と考えられ「ユジュ」は「牛馬にくびきをつけて車につなぐ」の意味がありました。
現代ではヨガと呼ばれるようになり「結びつける」「つながり」と意味されています。
この「結びつける」「つながり」は心と身体と魂が繋がっている状態で、ヨガを通して苦痛から解放されて心の安定と安らぎを得ることが本来の目的になります。
ヨガを通して人生を良質にするのだ
2、ポーズによる効果
効果
- 有酸素運動
- 病気や症状の予防や改善
- ダイエット効果
- 柔軟性の獲得
- スタイル(姿勢)が良くなる
- 活性酸素の減少
- 無酸素運動
- 筋力アップ
- 基礎代謝アップ
ヨガではさまざまなポーズを呼吸と共に行います。
特にインナーマッスルを鍛えるポーズが多いため体幹が鍛えられ、お尻や脚が引き締まるだけではなく代謝が高くなることでダイエット効果も見込めます。
体幹が鍛えられることで歪んでいた身体が矯正されるため腰痛などの緩和に期待ができます。
1).有酸素運動
ヨガはポーズにより有酸素運動になります。
有酸素運動はウォーキングやジョギングなど長時間継続する運動のことで、運動中は筋肉を使うエネルギーが必要になります。
このエネルギーは食事で摂取して主に肝臓や骨格筋に糖質として貯蔵されますが、余ったエネルギーは中性脂肪として貯蔵されます。
肝臓や骨格筋に糖質として貯蔵されている量は限界があるため、体脂肪をエネルギーとして使います。
体脂肪をエネルギーにする時に酸素が沢山必要になるため有酸素運動と呼ばれています。
有酸素運動により高血糖や脂質異常、高血圧、動脈硬化の予防や改善をすることができます。
2).無酸素運動
ヨガはポーズにより無酸素運動になります。
無酸素運動は筋肉を使うエネルギーを酸素を使わずに作り出す運動のことで、主に筋肉トレーニングと言われる運動になります。
年齢に関係なく筋肉を鍛えれるため、健康や体力維持に期待できたり基礎代謝量が増えることで有酸素運動の効果を高めることができます。
3、呼吸による効果
効果
- 自律神経の改善
- 集中力アップ
- 睡眠の質が向上
- 病気や症状の予防や改善
- ホルモンバランスの改善
- ストレスの発散
- 免疫力向上
普段、何気なくしている呼吸は心と身体に密接に関係しています。
リラックスしている状態や緊張している状態では呼吸が違うことを知っていますか?
リラックスはゆっくり深い呼吸で
緊張は早い浅い呼吸なのだ
この呼吸は無意識に行われていますが、ヨガでは深い呼吸を意識的に行います。
1).自律神経
現代社会では「不規則な生活」「過剰なストレス」「ホルモンバランスの乱れ」などにより自律神経が乱れる方が多くいます。
そもそも自律神経はどんな神経なのだ?
自律神経は交感神経と副交感神経のことで、どちらも必要になります。
自律神経の乱れは心の乱れにつながり、身体と心の状態を同じにするためには自律神経をコントロールする必要があります。
ヨガは呼吸を意識的に行い、自律神経を整えてコントロールをする力を身につけることができます。
自律神経の乱れはホルモンバランスの崩れや、さまざまな慢性的な症状が出現するため、コントロールをして整えることで症状が緩和し、さまざまな疾病予防につながります。
交感神経
外界の変化に適応するため緊急時に優位となり全身の活動力を高めます。
集中力が高まるのも交感神経が優位な時になります。
要するに、活動している時なのだ
- 交感神経優位
- 瞳孔散大
- 少量で粘液性の「濃い」唾液分泌
- 血圧上昇
- 心拍数上昇
- 抹消血管収縮
- 冠状動脈拡張
- 気管支拡張
- 消化管蠕動運動抑制
- 消化液分泌抑制
- グリコーゲン分解による血糖上昇
- 立毛筋収縮による鳥肌
- インスリン分泌抑制
- 排尿排便回数減少
- 射精
- 発汗
- アドレナリン分泌
- ノルアドレナリン分泌
交感神経が高まると興奮している状態で、攻撃的にもなります。
また、休息したいのに交感神経優位になると心と身体がちぐはぐになり、充分な休息が取れずイライラの原因にもなります。
副交感神経
生命の維持をするため、安静時に優位となりリラックスして全身の生命維持力を高めます。
気持ちが落ち着くのも副交感神経が優位な時になります。
要するに、休んでいる時なのだ
- 副交感神経優位
- 瞳孔縮小
- 大量で水液性の「薄い」唾液分泌
- 血圧下降
- 心拍数減少
- 抹消血管拡張
- 冠状動脈収縮
- 気管支収縮
- 消化管蠕動運動亢進
- 消化液分泌
- グリコーゲン分解による血糖下降
- 立毛筋弛緩
- インスリン分泌
- 排尿排便回数増加
- 勃起
- 発汗抑制
- アセチルコリン分泌
仕事や学校など活動しないといけないのに副交感神経が持続すると、身体がだるかったり集中力がない状態になります。
2).活性酸素
呼吸は充分な酸素を身体に取り入れることができますが、身体に取り入れた酸素の約2%が活性酸素になります。
活性酸素は殺菌力が強いため細菌やウイルスを撃退してくれますが、正常な細胞やDNAなども攻撃してしまいます。
活性酸素から身を守るための防御システムは備わっていますが、加齢に伴いその防御システムは弱まり、肌荒れやシミなどが目立つようになります。
それでも活性酸素は必要なのだ
良質な肌をキープするためには防御システムを強め、活性酸素を減らす必要があります。
防御システムの強化
抗酸化酵素などがあり、主に食事により改善をしていく必要があります。
次の栄養素を摂取する様に心がけます。
- 良質なタンパク質
- ビタミンC
- 果物類
- 芋類
- 野菜 など
- ビタミンE
- アーモンド
- ヘーゼルナッツ
- 落花生
- モロヘイヤ
- しそ
- ほうれん草
- 豆乳 など
- ナッツ類
- ポリフェノール
- ワイン
- コーヒー
- 緑茶
- 紅茶
- ココア
- チョコ
- 大豆
- そば
- 生姜 など
- βカロチン
- にんじん
- ほうれん草
- ピーマン
- かぼちゃ
- スイカ など
- 緑黄色野菜
- かんきつ類
- リコピン
- トマト
- ケチャップ
- 柿
- あんず
- ピンクグレープフルーツ など
- アスタキサンチン
- 海藻
- サケ
- エビ
- カニ
- イクラ など
- 魚介類に含まれる赤い色素
- セサミノール
- 胡麻
- 含硫化合物
- ガーリック
- 玉ねぎ
- ニラ
- ブロッコリー
- カリフラワー
- キャベツ
- 大根
- ブロッコリースプラウト など
食べ過ぎは良くないのだ
バランス良く食べるのだ
活性酸素の減少
活性酸素を減少させる方法は「禁煙」「禁酒」「ストレスの発散」「紫外線を避ける」「軽い運動」などがあり、ヨガのポーズは主に「軽い運動」になります。
4、まとめ
ヨガは心身共に健康になる運動だと思います。
看護師の視点からみても効果の高い運動だと思います。
ダイエットが上手くいかない、運動不足、調子がなんとなく悪い、など感じる方は始めるのを考えても良いのではないでしょうか。