正のフィードバックはポジティブフィードバック、負のフィードバックはネガティヴフィードバックとも呼ばれます。
人は一定の状態を維持しようとします。
この働きを恒常性「ホメオスタシス」と呼びます。
フィードバックは各分野で使われる言葉ですが、ここでは人に起こるフィードバックについて説明します。
1、フィードバックとは
フィードバックは「帰還」という意味です。
人では恒常性を保つために働く調節機構の動作原理になります。
恒常性を保つ働きのことなのだ
フィードバックには「正」「負」があります。
「正」だから身体に良い「負」だから身体に悪い、ということはなく恒常性を保つためにはどちらも必要です。
1).基本的概念
フィードバックは「原因」に対して「操作」をすることで「結果」が得られる、とする働きの中で、「結果」が「原因」「操作」に影響を与える仕組みがあることです。
つまり、「結果」が「原因」にさかのぼり作用することです。
例
血液中の血糖値が高い「原因」
↓
インスリンを分泌「操作」
↓
血液中の血糖値が減少する「結果」「原因」
↓
インスリン分泌を抑制「操作」
2).正のフィードバック
正のフィードバックは「結果」に対して「原因」「操作」が促進されることです。
つまり「A」の増加により「B」が増加します。
正のフィードバックは「促進」と覚えれば良いのだ
3).負のフィードバック
負のフィードバックは「結果」に対して「原因」「操作」が抑制されることです。
つまり「A」の増加により「B」が減少します。
負のフィードバックは「抑制」と覚えれば良いのだ
2、まとめ
正のフィードバックは「促進」負のフィードバックは「抑制」と覚えていても、問題を解いてみると難しく感じます。
しっかりと理解するのだ
1).正のフィードバック
ポイント
- 「結果」が「原因」「操作」を促進
- 「A」の増加により「B」が増加
分娩
オキシトシン分泌で子宮収縮
↓ ↑
神経反射を介して間脳が刺激されオキシトシンが分泌
↓
出産
凝血
怪我などにより化学物質が血小板を活性化
↓ ↑
活性化した血小板から化学物質が放出
↓
凝血
乳汁
乳頭を吸引で乳汁が分泌され児が飲む
↑ ↓
│神経反射を介して視床下部が刺激され
│プロラクチンが分泌
│ ↓
└─乳汁が分泌
↓
児のお腹いっぱい
まだまだたくさんあるのだ
2).負のフィードバック
ポイント
- 「結果」が「原因」「操作」を抑制
- 「A」の増加により「B」が減少
血糖値
血糖値低下
↓
インスリン分泌量抑制
↓ ↓ ↑
↓ インスリン量がまだ多い
恒常性保持
甲状腺ホルモン
血中濃度「甲状腺ホルモン」が濃い
↓
視床下部から
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン←┐
の分泌量抑制 │
↓ │
甲状腺刺激ホルモンの分泌量抑制 │
↓ │
甲状腺ホルモンの分泌量抑制 │
↓ ↓ │
↓ 血中濃度がまだ濃い────┘
恒常性保持
まだまだたくさんあるのだ