臓器の解剖や機能は知る必要があります。看護師に必要な最低限の知識をまとめました。
解剖は基本的な知識になりますが、覚えることも多く、内容も難しく感じます。
とりあえず浅い知識として、覚え欲しい知識をまとめました。
看護師国家試験の問題に使われることもあるため、ここにまとめてある知識は覚えることをお勧めします。
1、脾臓とは
血液中の異物処理をしている臓器です。

血液中をきれいにしてるのだ
生命維持に不可欠な臓器ではありません。
1).解剖
位置
左側上腹部に位置しています。
横隔膜や腎臓、膵尾、結腸に接しています。

色々な臓器に接しているのだ
大きさ
子どもの握り拳ほどの大きさです。
重さ
重さは100〜200gになります。
長さ
10〜12cmになります。
幅
6〜8cmになります。
厚さ
3〜5cmになります。
形
ソラマメのような形をしています。
名前
1、脾柱
- 脾臓の表面は白く厚い繊維性結合組織の被膜で覆われている
- 被膜が脾動脈にそって内部まで入り込み実質内に索状の脾柱を形成している
2、柱網
- 脾臓の実質内にある脾柱が網目状になった部位のこと
- 柱網の間隙を白脾髄と赤脾髄が埋めている
3、白脾髄
- 白い斑状組織「脾リンパ小節」のこと
- 細網線維組織の間に血液中を移動してきたリンパ球などの免疫系の血球が集まっている
4、赤脾髄
- 毛細血管が拡張した洞様毛細血管「脾洞」と、脾洞は網状に連なってその網目に赤血球や白血球、形質細胞、大食細胞などが埋める細網線維組織「脾索」がある
- 細長い袋状に見える毛細血管の脾洞と細網線維組織である脾索「ビルロート索」からなる赤い組織のこと
2、血管
1).脾動脈
左胃大網動脈が膵臓の上縁を沿って左側に入り脾動脈となり脾柱動脈となります。
脾柱動脈は脾柱内を分岐しながら白脾髄に入ります。
白脾髄からも分岐して赤脾髄に向かい細い毛筆動脈となります。
そして大食細胞や細網線維でできた莢動脈となります。
一部直接脾洞につながるが、他は脾索につながり脾洞に入っています。

難しいのだ
2).脾静脈
脾洞の中の血液は静脈血となり脾柱内の脾柱静脈に流れて脾静脈を経て門脈に流れます。
3、機能
1).血球破壊
古くなった赤血球を破壊して取り除いています。
赤血球の寿命は約120日です。
古くなった赤血球は柔軟性が無くなり狭い血管を通ることができなくなります。
赤脾髄の網目構造により古く赤血球はろ過されて分解されます。
1日に約2000億個の赤血球が産生、破壊されて入れ替わっています。

赤血球を入れ替えているのだ
2).免疫機能
リンパ小節でリンパ球が作られています。
リンパ球と形質細胞により抗体を作り出します。
3).貯蔵機能
赤脾髄は血液成分を貯蔵しています。
- 血小板
- 白血球
など
4).造血機能

赤血球の製造は出産前と後で違うのだ
胎生期は脾臓で赤血球が作られます。
生後その機能が失われて骨髄で赤血球が作られるようになります。
4、これだけは覚えよう
- 位置:左側上腹部
- 重量:100〜200g
- 形:ソラマメ
- 脾柱
- 被膜が脾動脈にそって内部まで入り込み実質内に索状の脾柱を形成
- 柱網
- 脾柱が網目状になった部位
- 柱網の間隙を白脾髄と赤脾髄が埋める
- 白脾髄
- 白い斑状組織「脾リンパ小節」
- 免疫系の血球が集まる
- リンパ球など
- 赤脾髄
- 脾洞と脾索からなる赤い組織
- 脾洞
- 洞様毛細血管「毛細血管が拡張」
- 網状
- 細長い袋状
- 脾索「ビルロード索」
- 細網線維組織
- 脾洞の間を埋めている
- 脾動脈
- 左胃大網動脈→脾動脈→脾柱動脈→毛筆動脈→莢動脈
- 脾柱動脈
- 脾柱内を分岐しながら白脾髄に入る
- 白脾髄から分岐して赤脾髄に向かい細い毛筆動脈となる
- 莢動脈
- 大食細胞や細網線維で構成
- 脾静脈
- 脾洞→静脈血→脾柱静脈→脾静脈→門脈
- 血球破壊機能
- 古くなった赤血球を破壊
- 赤血球の寿命:約120日
- 1日の産生と破壊:約2000億個の赤血球
- 免疫機能
- リンパ小節でリンパ球を作る
- リンパ球と形質細胞により抗体を作る
- 貯蔵機能
- 赤脾髄:血液成分を貯蔵
- 血小板、白血球など
- 赤脾髄:血液成分を貯蔵
- 造血機能
- 胎生期:脾臓で赤血球を作る
- 生後その機能が失われる
- 骨髄:赤血球を作る

血球破壊と貯蔵機能、造血機能は覚えるのだ