「依存症」について、過去の看護師国家試験で出題されています。アルコール依存症や薬物依存症だけじゃなく思春期の依存についても問題を解いて点数アップをしましょう。
過去の問題
過去問「必修」
思春期にみられる感情の特徴はどれか。
- 情緒的に安定し穏やかになる。
- 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
- 親に対して強い愛情表現を示す。
- 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。
4.依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。
過去問「一般」
思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。
- 自我同一性の獲得
- 心理的離乳
- 愛着形成
- 探索行動
- 母子分離
2.心理的離乳
過去問「一般」
次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。
- 未成年者喫煙禁止法
- 麻薬及び向精神薬取締法
- アルコール健康障害対策基本法
- ギャンブル等依存症対策基本法
4.ギャンブル等依存症対策基本法
過去問「状況設定」①
Aさん (32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。
入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。
- 二度と使用しないと約束させる。
- 回復が期待できる病気であることを伝える。
- 使用をやめられなかったことに対する反省を促す。
- 自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。
2.回復が期待できる病気であることを伝える。
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
入院2週後、Aさんは病棟生活のルールを守ることができず、それを注意した看護師に対して攻撃的になることがあった。別の看護師が Aさんに理由を尋ねると「指図するような話し方をされると、暴力的だった父親を思い出し、冷静でいられなくなる」と話した。
このときAさんに起こっているのはどれか。
- 転移
- 逆転移
- 躁的防衛
- 反動形成
1.転移
過去問「状況設定」③
(上記②の続きの問題)
入院後1か月、Aさんは「正直に言うと、今も覚せい剤を使いたいという気持ちがある。もし誘いがあったら、使いたい気持ちを抑えきれないだろう」と悩みを打ち明けた。
Aさんの状態のアセスメントとして適切なのはどれか。
- 否認
- 共依存
- 身体依存
- 精神依存
- 離脱症状
4.精神依存
過去問「状況設定」①
Aさん(43歳、男性、会社員)は、妻(38歳)と2人暮らし。
1年前から、仕事上の失敗を上司から叱責されることが続いていた。
半年前からAさんの飲酒量は次第に増えていき、最近では酒気を帯びたままの出勤や、飲酒を原因とした遅刻や欠勤をすることが増えていた。
ある夜、Aさんは居酒屋で多量に飲酒し、その場で意識が消失したため、救急車で救命救急センターへ搬送され、入院となった。
器質的検査および生理的検査では異常が認められなかったが、入院翌日に飲酒の問題について同じ病院内の精神科を受診した結果、Aさんはアルコール依存症と診断された。
入院後3日までにAさんに出現する可能性が高い症状はどれか。
2つ選べ。
- 観念奔逸
- 緘黙
- 強迫症状
- 幻覚
- 振戦
4.幻覚
5.振戦
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
入院後3日。
面会に来た妻は、飲酒によって多くのトラブルを抱えているAさんへの対応に困っており、Aさんの飲酒行動に対する関わり方について、今後どのようにすればよいか看護師に相談した。
Aさんの妻に対する助言で適切なのはどれか。
- 「飲酒による仕事上の失敗についてAさんと議論しましょう」
- 「飲酒したいというAさんの気持ちは聞かないようにしましょう」
- 「Aさんが飲酒したことがわかっても注意はしないようにしましょう」
- 「Aさんの飲酒によるトラブルを代わりに解決しないようにしましょう」
4.「Aさんの飲酒によるトラブルを代わりに解決しないようにしましょう」
過去問「状況設定」③
(上記②の続きの問題)
入院中にAさんは、退院後に再び飲酒してしまうのではないかという不安を看護師に訴えた。
Aさんの断酒を支援するための看護師の提案で適切なのはどれか。
- 共同生活援助〈グループホーム〉への入居
- セルフヘルプグループへの参加
- 行動援護の利用
- 生活訓練の利用
2.セルフヘルプグループへの参加
過去問「状況設定」①
Aさん(32歳、男性)。
自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。
「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。
Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。
このときにAさんから収集する情報として優先度が高いのはどれか。
- 排尿回数
- 咳嗽の有無
- 鎮咳薬の使用状況
- 生活上のストレス要因
3.鎮咳薬の使用状況
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。
入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。
Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。
Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
- 服薬心理教育を実施する。
- ハローワークを紹介する。
- 生活技能訓練〈SST〉を勧める。
- 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。
4.薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。
過去問「状況設定」③
(上記②の続きの問題)
さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。
Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。
母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。
担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。
担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。
- 「親戚で頼りになる方はいませんか」
- 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
- 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
- 「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
4.「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
過去問「状況設定」①
Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。
Aさんに認められるのはどれか。
- 病的酩酊
- 妻との共依存
- コルサコフ症候群
- アルコールに対する耐性
4.アルコールに対する耐性
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
入院後2日、夜間にAさんは「壁や布団に虫がたくさんいる」と訴え、興奮して眠らなかった。
考えられるのはどれか。
- 振戦せん妄
- アルコール幻覚症
- レム睡眠行動障害
- 急性アルコール中毒
1.振戦せん妄
過去問「状況設定」③
(上記②の続きの問題)
その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。
Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「仕事は辞めましょう」
- 「断酒会に参加しましょう」
- 「集団精神療法を受けましょう」
- 「飲酒しない日を週1日設けましょう」
- 「生活行動を家族に記録してもらいましょう」
2.「断酒会に参加しましょう」
3.「集団精神療法を受けましょう」
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ