看護師に必要な知識として中核症状と周辺症状をまとめました。
1、認知症の症状とは
認知症の主な症状は大きく2つに分けることができます。
脳神経細胞が障害されることで生じる中核症状と環境的、身体的、心理的などが原因で生じる周辺症状があります。
2、中核症状
その疾患で一般的に出現する一次的症状のことです。
竜
一般的に出現する症状のことなのだ
「脳の働きが低下」「脳細胞の破壊」などによる脳の機能障害が原因になります。
脳の機能障害は「加齢」「病気」「外傷」などが原因になります。
今まで正常に働いていた脳の役割が、脳の機能障害により正常に機能しなくなることで出現します。
1).記憶障害
新しいことを記憶することが難しくなり、記憶していたことも徐々に忘れていきます。
子供の頃など、昔の出来事は比較的に記憶しています。
- 最近の出来事を忘れる
- ご飯は何か、食べたことさえ忘れる
- 物をどこに置いたか忘れる
- 同じことを聞く
2).見当識障害
現在の「年月日」「時間」「場所」「人間関係」など基本的な状況を把握することができなくなります。
- 年月日や時間、季節がわからない
- 自分が何歳かわからない
- 夜中に外出しようとする
- 約束の時間が守れない
- 季節に合った服装がわからない
- 予定していた行動ができない
- 近所でも道に迷う
- 家のトイレの場所がわからない
- 今いる場所がわからない
- 入院していることがわからない
- 家族や友人がわからない
- 家族など亡くなった事実を忘れる
3).失語
言葉の理解や話しをして思いを伝えることが難しくなります。
- 「あれ」「これ」といった言葉が多くなる
- 話しの内容が理解できない
- 話しのつじつまが合わない
- 話したいことが言葉として上手く表現できない
- 物の名前がわからない
- 文字を読めない
4).失行
普段、日常生活でしていた「動作」「操作」など一連の動きができなくなります。
- 顔を洗ってタオルで拭けない
- 歯磨きしてうがいができない
- 服を着れない
- 洗濯ができない
- トイレが流せない
- 箸、ハサミなどの道具が使えない
5).失認
対象を認識することができなくなります。
- 物の形状や色彩がわからない
- 家族や友人の顔がわからない
- 鏡に映る自分がわからない
- 目の前の物がわからない
6).理解力や判断力の障害
理解や判断することに時間がかかったり、理解や判断そのものができなくなります。
- ATMや自動販売機など機械操作ができない
- 物事の正しい判断ができない
- 善悪の判断がわからない
7).実行機能障害
計画や順序を立てることができなくなります。
- 料理ができない
- 優先順位がわからない
- 複数の行動を同時にできない
3、周辺症状
その疾患の中核症状に対して出現する二次的症状のことです。
中核症状や環境的、心理的、身体的などが原因で出現します。
竜
症状が出現しない方もいるのだ
1).幻覚
2).妄想
3).焦燥
イライラするや焦る状態のことです。
- 焦って苛立つ
4).仮性作業
周囲の人から見ると意味のないと思える動作をすることですが、本人にとってはまるで何か意味のある行動をしているかのような動作を繰り返すことです。
- たんすの引き出しを出して衣類を「出す」「しまう」を繰り返す
- ゴミを紙袋に「入れる」「出す」を繰り返す
- 扉を「開ける」「閉める」を繰り返す
- 引き出しを「開ける」「閉める」を繰り返す
5).その他
- 徘徊
- 多動
- 多弁
- 興奮
- 易怒的
- 暴言
- 暴力
- 介護抵抗
- 収集行動
- 不潔行動
- 抑うつ
- 不安
- 意欲低下
- 依存
- 不眠
- 昼夜逆転
- 異食
- 過食
- 無為
- 無気力
- 無関心