「レスパイト」について、過去の看護師国家試験ではあまり出題されていませんが、過去の問題を一読することをお勧めします。
レスパイトについて少し知ってるだけで正解率が上がります。
1、基本
レスパイト(respite)は、一時的な中断や休息、ひと休み、息抜きなどの意味になります。
医療業界で使うレスパイトは、主に家族などの介護者が社会資源などを利用して療養者から一時的に離れる時間を確保することで介護負担を軽減するものです。
家族や介護者の休息以外にも病気や入院(介護者)、出産、冠婚葬祭、旅行などにより在宅での介護が困難になる場合もレスパイト入院ができます。
レスパイト入院はできる患者さんは、どんな人でも良いわけではなく、在宅で医療機器を使用したり医療処置が必要であるなど、常に介助が必要である患者さんになります。
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
レスパイトケアの目的はどれか。
- 介護者の休息
- 介護者同士の交流
- 介護者への療養指導
- 療養者の自己決定支援
1.介護者の休息
過去問「一般」
平成28年(2016年)の国民生活基礎調査で、要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合のうち、「同居の家族」が占める割合に最も近いのはどれか。
- 20%
- 40%
- 60%
- 80%
3.60%
過去問「一般」
レスパイトケアの主な目的について適切なのはどれか。
- 高度な治療を集中的に行う。
- 家族へ介護方法の指導を行う。
- 居宅サービス料金を補助する。
- 介護を行う家族のリフレッシュを図る。
4.介護を行う家族のリフレッシュを図る。
過去問「状況設定」
A君(2歳6か月、男児)。
両親との3人暮らし。
脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。
話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。
食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。
排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。
母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。
父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。
A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。
母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。
- 乳児院
- 病児保育
- 情緒障害児短期入所施設
- レスパイトを目的とする入院
- ファミリーサポートセンター
4.レスパイトを目的とする入院
レスパイトの意味を理解していれば、難しく感じる問題は少ないと思います。
レスパイト入院ができる状況や状態などは覚えましょう。
家族の関係は「協力」であるため「自己決定」「セルフケア」などを妨げない関係や介護者が休める状況が作れる関係が良いです。
また、要介護者からみた最も多い主な介護者は誰かを覚えます。
どの年の試験も正解答は「同居の配偶者」ですが、年によって違う場合が出てくる可能性はあるので注意が必要です。
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ