バイタルサインの正常値や異常値などの観察項目がたくさん…。私が学生の頃「全てまとめてあればっ!」と思っていたので一覧にしました。
1、体温
1).正常値
腋窩温<口腔温<直腸温
- 新生児:36.5〜37.5℃
- 乳児:36.5〜37.5℃
- 幼児:36.5〜37.2℃
- 学童:36.5〜37.2℃
- 成人:36.0〜37.0℃
日内変動
- 2:00〜6:00が最も低い
- 15:00〜20:00が最も高い
- 日内変動は1℃未満
- 運動、食事のあとは体温が上昇
- 入浴のあとは体温が低下
- 体温1℃上昇で脈拍約10回/分の上昇
2).異常値
- 35℃以下
- 37.5℃以上
低体温
- 35℃以下
- 軽度:35〜32℃超え
- 中度:32〜28℃超え
- 重度:28℃以下
発熱
- 微熱:〜37.4℃
- 中等度の発熱:37.5〜38.4℃
- 高熱:38.5〜
3).熱型
稽留熱
- 1日の体温差が1℃以内
- 38℃以上の高熱が持続するもの
弛張熱
- 1日の体温差が1℃以上の変化
- 37℃以下にまでは下がらないもの
間欠熱
- 1日の体温差が1℃以上の変化
- 37℃以下にまで下がるもの
波状熱
- 発熱時期と発熱しない時期とが区別されているもの
周期熱
- 規則的周期で発熱を引き起こすもの
関連記事なのだ
2、呼吸
1).正常値
- 新生児:35〜50回/分
- 乳児:30〜40回/分
- 幼児:20〜30回/分
- 学童:18〜20回/分
- 成人:12〜18回/分
換気量
肺胞換気量=1回換気量−死腔量
- 肺胞換気量:350ml
- 1回換気量:500ml
- 死腔量:150ml
SpO2
個人差が大きく96%以上のキープを目指す必要はないが90%以上のキープを目指す。
- 96%以上
2).異常値
- 無呼吸:呼吸停止
- 徐呼吸:9〜12回以下/分 深さ不変
- 頻呼吸:25回以上/分 深さ不変
- 小呼吸:呼吸数、深さともに減少
- 多呼吸:呼吸数、深さともに増加
3).呼吸の型
チェーンストーク
- 呼吸器、無呼吸器が交互に出現
- 呼吸振幅が漸増、漸減を示し紡錘状となる
ビオー型
- 一定の呼吸、深さの後突然の無呼吸となりまた戻る
鼻翼呼吸
- 換気量維持のため呼吸時に鼻翼が広がる
下顎呼吸
- 瀕死時に見られる
中枢神経性過呼吸
- 規則正しく持続的な速く深い呼吸
- 30〜40回ぐらいの呼吸数となる
持続性吸息呼吸
- 吸気状態で2〜3秒ぐらい呼吸を休止する。
- 呼気も休止がみられリズムが不規則。
群発呼吸
- 深い呼吸と無呼吸が交互に起こる
失調性呼吸
- 呼吸の深さやリズムが不規則になり呼吸停止へ移行する
関連記事なのだ
3、脈拍、心拍
1).正常値
- 新生児:120〜140回/分
- 乳児:110〜130回/分
- 幼児:100〜110回/分
- 学童:80〜100回/分
- 成人:60〜100回/分
観察項目
- 左右差
- 上下肢の差
- 強さ
- リズム
2).異常値
- 徐脈:60回未満/分
- 頻脈:100回超え/分
3).測定部位
- 浅側頭動脈
- 総頸動脈
- 上腕動脈
- 橈骨動脈
- 尺骨動脈
- 大腿動脈
- 膝窩動脈
- 後脛骨動脈
- 足背動脈
4、血圧
血圧の単位はmmHgです
1).正常域血圧
- 正常血圧:120未満かつ/80未満
- 正常高値血圧:120〜129かつ/80未満
- 高値血圧:130〜139かつ、または/80〜89
2).高血圧
- Ⅰ度高血圧:140〜159かつ、または/90〜99
- Ⅱ度高血圧:160〜179かつ、または/100〜109
- Ⅲ度高血圧:180以上かつ、または/110以上
3).脈圧
脈圧=最高血圧-最低血圧
- 心室の収縮は最高血圧【収縮期血圧】
- 心室の拡張は最低血圧【拡張期血圧】
4).マンシェットの幅
- 生後3ヶ月未満:3cm
- 3ヶ月〜3歳未満:5cm
- 3歳〜6歳未満:7cm
- 6歳〜9歳未満:9cm
- 9歳〜:12cm
- 成人「上腕」:14cm
- 成人「下肢」:18cm
5).年齢別基準範囲
- 新生児:70〜90/50
- 幼児:90〜100/50〜60
- 学童:90〜100/50〜60
- 思春期:110〜120/50〜60
- 成人:120〜130/60〜90
- 老年:120〜140/60〜90
関連記事なのだ
5、意識レベル
1).ジャパンコーマスケール「JCS」
0:意識清明
Ⅰ:刺激しないでも覚醒している状態
1:だいたい意識清明だが今ひとつはっきりしない
2:見当識障害がある
3:自分の名前、生年月日が言えない
Ⅱ:刺激をすると覚醒する状態/刺激をやめると眠り込む
10:普通の呼びかけで容易に開眼
20:大きな声または体をゆさぶることにより開眼する
30:痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する
Ⅲ:刺激しても覚醒しない状態
100:痛み刺激に対し払いのけるような動作をする
200:痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる
300:痛み刺激に反応しない
2).グラスゴーコーマスケール「GCS」
最軽症15点
最重症3点
E:eye opening
【開眼】
4点:自発的に開眼
3点:呼びかけにより開眼
2点:痛み刺激により開眼
1点:痛み刺激にも開眼しない
V:best verbal response
【最良言語機能】
5点:見当識あり
4点:混乱した会話
3点:不適当な発語
2点:理解不明な音声
1点:発語なし
M:best motor response
【最良運動反応】
6点:命令に応じる
5点:疼痛部位を認識する
4点:痛み刺激から逃避する
3点:痛み刺激に対して屈曲運動を示す
2点:痛み刺激に対して伸展運動を示す
1点:痛み刺激に対して反応なし
3).AVPU評価法
A「alert」:意識は清明で見当識あり
V「verbal」:呼びかけに開眼する
P「plan」:痛み刺激に対して開眼、逃避行動する
U「unresponsive」:全く反応しない
4).意識混濁
- 昏睡
- 嗜眠
- 傾眠
- 昏蒙
- 明識困難
5).意識変容
- 興奮
- 徘徊
- せん妄
6、肥満度指数
1).BMI
成人が対象
BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
適性体重=22×(身長m×身長m)
適性体重=標準体重
- 18.5未満:低体重「痩せ型」
- 18.5〜25未満:普通体重
- 25〜30未満:肥満「1度」
- 30〜35未満:肥満「2度」
- 35〜40未満:肥満「3度」
- 40以上:肥満「4度」
2).ローレル指数
小学生や中学生が対象
ローレル指数=体重kg÷(身長m×身長m×身長m)×10
- 100未満:やせすぎ
- 100〜115未満:やせている
- 115〜145未満:ふつう
- 145〜160未満:ふとっている
- 160以上:ふとりすぎ
3).カウプ指数
カウプ指数=体重kg÷(身長m×身長m)
3ヶ月〜1歳未満
やせぎみ<16〜18<ふとりぎみ
1歳〜1.5歳未満
やせぎみ<15.5〜17.5<ふとりぎみ
1.5歳〜3歳未満
やせぎみ<15〜17<ふとりぎみ
3歳〜5歳
やせぎみ<14.5〜16.5<ふとりぎみ
7、水分摂取量
年齢、活動量などにより個人差が大きい
1).必要水分量
必要水分量ml=年齢別必要量ml×実測体重kg
- 年齢別必要量
- 新生児:125〜150ml
- 乳児:120〜160ml
- 幼児:100〜130ml
- 学童:60〜80ml
- 思春期:40〜60ml
- 55歳未満:35ml
- 55〜65歳未満:30ml
- 65歳以上:25ml
2).食事に含まれる水分
- 10kcal=約4ml
関連記事なのだ
8、排尿量
腎臓疾患などにより個人差がある。
1).正常値
体重1kg=約1ml/h
- 1回量:200〜400ml
- 1日量:1000〜2000ml
2).性状
- 淡黄色:健康
- 淡黄褐色:健康
- 白濁:膀胱炎、腎盂腎炎など
- 赤色:血尿、尿路結石症など
- 赤褐色:横紋筋融解症など
3).異常値
- 多尿:1日2500ml以上
- 乏尿:1日400ml以下
- 無尿:1に100ml以下
- 尿閉:尿を排出できない状態
9、排便量
1).正常値
1日量:100〜200g「1〜2回」
2).性状
1:硬便
- 木の実状の硬便
- 通過困難
2:硬便
- 木の実状の塊が融合したソーセージ状の硬便
3:健常
- 表面に亀裂のあるソーセージ状の便
4:健常
- 平滑で柔らかいソーセージ状の便
5:健便
- 小さい塊の縁が鋭く切れた軟便
- 通過容易
6:下痢便
- 不定形の崩れた便
7:下痢便
- 固形物を含まない水溶便
3).便秘
- 3日以上排便がない状態
- 毎日排便があっても残便感がある状態
どちらかに当てはまれば便秘となります。
4).下痢
- 1日の便量が200g以上
- 1日の糞便中の水分量が200ml以上
どちらかに当てはまれば下痢となります。
関連記事なのだ
10、瞳孔
1).正常
- 瞳孔径:2.5mm~4.0mm
- 大きさ:左右同じ
- 形:丸い形
- 位置:中央
2).異常
- 瞳孔径:縮瞳2mm以下・散大5mm以上・左右差0.5mm以上
- 大きさ:左右異なる
- 形:いびつ
- 位置:内側や外側・左右離れる・内側に寄る
- その他:片目もしくは両目の対交反射が弱い