「心不全」について、過去の看護師国家試験でかなり出題されています。過去の問題を解いて点数アップしましょう。
過去の問
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
咳嗽が起こりやすいのはどれか。
- 右心不全
- 左心不全
- 心筋梗塞
- 肺梗塞
2.左心不全
過去問「必修」
左心不全でみられる症状はどれか。
- 肝腫大
- 下腿浮腫
- 起坐呼吸
- 頸静脈怒張
3.起坐呼吸
過去問「一般」
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。
現在、入院中で、リザーバーマスク10 L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。
時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。
バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。
このときの対応で最も適切なのはどれか。
- 面会は制限しない。
- 水分制限を厳しくする。
- Aさんに仰臥位を維持してもらう。
- 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。
1.面会は制限しない。
過去問「一般」
慢性心不全患者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。
- 肺炎球菌ワクチン接種の回避
- 蛋白質を制限した食事
- 食直後の散歩
- 排泄後の休息
4.排泄後の休息
過去問「一般」
Aさん(85歳、女性)は1人暮らし。
うっ血性心不全で臥床して過ごすことが多い。
訪問看護師が訪問すると、Aさんは体温37.6°C、口唇の乾燥はなく、体熱感はあるが手足が冷えると言って羽毛布団を肩まで掛けている。
室温30°C、湿度65%、外気温は32°C、冷房設備はあるが使っていない。
このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
- 羽毛布団を取り除く。
- 冷房設備で室温を調整する。
- 頓用の解熱薬を服用してもらう。
- 直ちに経口補水液を飲むよう促す。
2.冷房設備で室温を調整する。
過去問「状況設定」①
Aさん(65歳、女性、要支援1)は1人暮らし。
慢性心不全で定期的に外来受診していた。
下肢の浮腫と息切れを自覚し、心不全の増悪があると診断されて入院となった。
入院治療によって、両下肢に軽度の浮腫はあるが歩行による息切れは消失し、退院することになった。
Aさんは退院後の生活について「近くのスーパーに歩いて買い物に行くのが楽しみですが、息切れが心配です。何に気をつけたらよいですか」と病棟看護師に話した。
買い物についてAさんに助言する内容で最も適切なのはどれか。
- 宅配サービスを利用する。
- 移動には車椅子を利用する。
- 荷物は両手に分散して持つ。
- 途中で息切れを感じたら座って休む。
4.途中で息切れを感じたら座って休む。
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
退院後、心不全の増悪を予防する目的で訪問看護を週に1回利用することになった。
Aさんは夕方に下肢の浮腫が悪化するのを気にしており、訪問看護師に助言を求めた。
訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。
- 「靴は大きめのサイズを選びましょう」
- 「外出時は弾性ストッキングを履きましょう」
- 「下肢の中枢から末梢にマッサージしましょう」
- 「就寝時には湯たんぽを身体から2、3cm離して置きましょう」
2.「外出時は弾性ストッキングを履きましょう」
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
退院後3週、Aさんの浮腫は改善し心不全の増悪もなかった。
Aさんは「同年代の人との交流を広げたいと思っています。利用できるサービスはありますか」と訪問看護師に質問した。
訪問看護師が地域包括支援センターに相談してAさんに提案する社会資源はどれか。
- 高齢者サロン
- 療養通所介護
- 通所リハビリテーション
- 共同生活援助〈グループホーム〉
1.高齢者サロン
過去問「状況設定」①
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。
夫とは1年前に死別した。
近くの診療所で高血圧症と心不全と診断され、内服治療をしていた。
月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。
日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。
週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。
息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。
1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。
両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:意識は清明。
身長159cm、体重61.3kg。
体温37.1°C、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
外来看護師がAさんに対して優先して確認するのはどれか。
- 通院の方法
- 最近の体重の増減
- パートの仕事内容
- 自宅での1日の過ごし方
2.最近の体重の増減
過去問「状況設定」②
(上記①の続きの問題)
診察の結果、Aさんは心不全の悪化を認めたため入院することになり、個室を希望した。
入院後、酸素マスクによる酸素療法や利尿薬による薬物療法、塩分制限などの食事療法が開始された。
入院3日、夜勤の看護師から日勤の看護師への朝の申し送りで、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと、娘が学校から帰ってくるのを待っていると言って病室の入り口を気にしていたことが報告された。
日勤の看護師は、Aさんの睡眠状況を改善する必要があると考え、Aさんへの対応について検討した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
- 終日、病室を明るくする。
- 日中眠っていたら覚醒を促す。
- 睡眠導入薬の使用を医師に相談する。
- 夜間覚醒している場合は、夜は眠るよう説得する。
2.日中眠っていたら覚醒を促す。
過去問「状況設定」③
(上記②の続きの問題)
入院後10日。
入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。
Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。
また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋ねてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」
- 「通勤するときに駅の階段を使いましょう」
- 「水分は1日2,000mL摂りましょう」
- 「塩分を1日9g摂りましょう」
1.「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」
過去問「状況設定」
Aさん(56歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。
40歳時の会社の健康診断で2型糖尿病と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。
50歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。
しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。
1年前から、足のしびれが出現するようになった。
Aさんは、3か月前に末期腎不全の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。
シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。
1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。
透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。
入院時の身体所見:体重73kg(1週間で4kg増加)、血圧178/105mmHg。
入院時の検査所見:Hb9.5g/dL、血清尿素窒素72mg/dL、血清クレアチニン9.0mg/dL、血清カリウム6.8mEq/L、血清ナトリウム138.5mEq/L。
緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真(別冊No.5)を別に示す。
Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
- 貧血
- 心不全
- 低カリウム血症
- 低ナトリウム血症
2.心不全
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ