欠陥性爆発性障害と呼ばれる疾患についてまとめました。
1、欠陥性爆発性障害とは
憤怒調節障害とも呼ばれます。
理性喪失をするため状況や誘因に見合わない暴言や暴力、器物破損などの攻撃的な行動を頻繁にとる反復性衝動制御障害になります。
1).原因
脳の前頭辺縁領域にある灰白質が少ないことが原因になります。
2、症状
「思い通りにならない」「家族や友人などの何気ない一言」など普通では怒りに結びつかない出来事により、怒りを急激に爆発させて暴言や暴力、器物破損などの行動をしてしまいます。
利益を得るなどの計画的な行動ではなく衝動的に生じる行動であるため短時間で消失します。
落ち着きを取り戻したあとに「後悔」「自己嫌悪」などにより苦痛を感じます。
暴言や暴力、器物破損などの行動により「仕事ができない」「警察沙汰になる」「経済的困窮」「人間関係が上手くできない」など社会生活に支障が出ることがあります。
3、診断基準
DSM-5診断
次のいずれかを含む、衝動を制御できないことを示す再発性の爆発:
・口頭での攻撃性(かんしゃく、口頭での議論または争い)または身体的攻撃性が1週間に2回、少なくとも3か月間発生し、財産の破壊または身体的傷害を引き起こさない。
(基準A1)・1年以内に負傷または破壊を伴う3回の爆発。
(基準A2)・攻撃的な行動は、心理社会的ストレッサーの大きさに著しく不均衡。
(基準B)・爆発は計画的ではなく、計画的な目的を果たさない。
(基準C)・爆発は、機能の苦痛または障害を引き起こしたり、経済的または法的結果につながる。
(基準D)・個人は6歳以上である必要がある。
(基準E)再発性の爆発は、別の精神障害では説明できず、別の医学的障害または物質使用の結果ではない。
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(基準F)
DSM-5には、経験的なサポートがある攻撃的な爆発のタイプ(A1とA2)の2つの別個の基準が含まれていることに注意することが重要。
・基準A1:平均して週に2回、3か月間発生する、口頭および/または非損傷、非破壊、または非有害の身体的暴行のエピソード。これらには、かんしゃく、暴動、口頭での議論/戦い、または被害のない暴行が含まれる可能性がある。この基準には、高周波/低強度の爆発が含まれる。
・基準A2:よりまれで、平均して12か月間に3回発生する、より深刻な破壊的/攻撃的エピソード。これらは、価値に関係なくオブジェクトを破壊したり、動物や個人を攻撃したりする可能性があります。この基準には、高強度/低頻度の爆発が含まれる。
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4、治療方法
1).薬物療法
抗精神病薬や抗うつ薬、抗てんかん薬により薬物療法をします。
2).認知行動療法
思考理論上の誤りに修正をすることを目的とする療法のことです。
ここでの認知行動療法は「認知療法」「行動療法」を含めた広義の意味で使用しています。
認知療法
認知とは精神医学的には「理解」「判断」「論理」など知能に類似した意味で、心理学では「知覚」「判断」「想像」「推論」「決定」「記憶」「言語理解」といったさまざまな意味があります。
つまり「その人の考え方」のことです。
物事の捉え方や受け取り方はその人の考え方によって違います。
その人の考え方は「感情」「行動」は密接に関係しています。
その人の考え方を柔軟にすることで「感情」「行動」を変えてストレスを軽減していく療法です。
3).暴露療法
エクスポージャー法とも言います。
学習理論の「慣れ」の原理を応用した療法のことです。
「苦手」「不安」などの状況を、レベルの低いものから高いものへ段階を作ります。
レベルの低い状況から徐々に経験し慣れていく治療方法です。
4).リラクゼーション法
まとめてあるのだ
怒りやすい方は病気の可能性があるのだ