梅毒のことをまとめました。梅毒の経過などもまとめてあります。
STDという言葉を知っていますか。
Sexually Transmitted Diseasesの略で「性により」「感染する」「病気」という意味です。
梅毒はSTDの1つです。感染が疑われるのはどのような症状でしょうか。
1、梅毒とは
梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。
潜伏期間は約3〜6週間です。

潜伏期間があるのだ
先天性や後天性のものがあり後天性の症状は第1期〜第4期に分かれます。
発見が早く正しい治療をすれば完治します。

早期発見、早期治療が大切なのだ
1).感染経路
梅毒トレポネーマは弱い細菌であるため外界では長く生きていけません。
そのため人から人に感染することがほとんどです。
後天性梅毒のことを「梅毒」といいます。
梅毒に感染している母親が妊娠して出産をすると新生児に感染する可能性があります。
これを先天性梅毒といいます。

赤ちゃんにも感染するのだ
2).原因
粘膜や傷から梅毒トレポネーマが侵入することで感染します。
梅毒トレポネーマは感染者の病変部や血液、精液、膣分泌物などに存在します。
病変部が口腔内にある場合は唾液にも存在します。
体液交換がある性行為をしても必ず感染するとは限りません。
2、梅毒によるリスク
1).HIV

怖い病気なのだ
感染率が高くなります。
HIVに感染している場合は梅毒の進行が早まります。
2).梅毒性髄膜炎
1年以内の感染
- 頭痛
- 吐き気
- 意識障害
- ぶどう膜炎
- 顔面神経麻痺
3).髄膜血管型梅毒
1〜10年の感染
- 頭痛
- 不眠
- 回転性めまい
- 精神異常
- 脳卒中
- 髄膜梗塞
4).実質型梅毒
10〜30年の感染
脊髄癆
- 脊髄に感染する
- 背中痛
- 足の痛み
- 排尿障害
- 知覚過敏
進行麻痺
- 脳に感染する
- 記憶障害
- 人格変容
- 不眠
5).妊婦や新生児のリスク
- 早産
- 死産
- 新生児死亡
- 先天性梅毒
3、症状
第1期〜第4期まであります。
第1期から順番に経過することもあれば、第1期と第2期が同時に出現したり第2期を何度も繰り返したりと個人差があります。
約30%は無症状です。
無症状の場合は感染拡大や治療をしない危険性があります。

無症状の方が怖いのだ
1).第1期
感染
↓
「第1潜伏期」
↓
3週間
↓
「第2潜伏期」
↓
3ヶ月

潜伏するのだ
第1潜伏期が終わり約3週間経った頃に感染した部位から症状が出現します。
軽い弾力性のあるしこりや潰瘍が出現します。
しこりや潰瘍は通常1個程度で痛みはないです。
約1ヶ月で症状がなくなり第2潜伏期になります。
2).第2期
3ヶ月
↓
「潜伏梅毒」
↓
3年

ここでも潜伏するのだ
第2潜伏期が終わり約3ヶ月経った頃に全身にバラ発疹が出現します。
バラ発疹は手のひらや足のうらに頻繁に出現します。
かゆみや痛みはないです。
他に扁平コンジローマや梅毒性粘膜疹などが出現します。
数週間以内に症状がなくなり潜伏梅毒になります。
3).第3期
3年
↓
10年
潜伏梅毒が終わり約3年経った頃に皮膚や筋肉、骨、肝臓、腎臓などにゴム腫が出現します。
ゴム腫は組織を破壊します。
4).第4期
10年以降
約10年経った頃に心臓血管系や中枢神経系が侵され大動脈瘤や進行麻痺、認知症などの症状が出現します。
日常生活ができなくなり死に至ります。
4、検査
住まいの保健所では匿名で検査を無料で受けることができます。
検査方法は血液検査や尿検査になります。

疑ったらすぐに検査した方が良いのだ
1).血液検査
採血をします。
2).検尿
中間尿を採ります。
3).検体採取
病変部を軽く擦って細胞を取ります。
5、治療方法
1).薬物療法
- β-ラクタム系
- テトラサイクリン系
点滴静脈注射や内服薬などの治療をします。
処方される薬によりますが2週間〜12週間の内服をします。
第1選択はペニシリンなどのβ-ラクタム系です。
アレルギーがある時はドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系を選択します。
1年間は毎月1回採血をしてフォローした方がいいです。
6、予防方法
- 性行為をしない
- 性行為する相手を限定する
- コンドームを使用する
STDの予防方法を実行しても全て防ぐことはできません。
身体を清潔にして生理や傷がある場合は性行為をしないようにします。
少しでも感染するリスクを減らしましょう。
低容量ピルは妊娠を防ぐためであり感染を予防することではないので、感染の予防方法にはなりません。
1).パートナーがいる方へ
STDに感染している場合はその事実を言いにくいものです。
自分がSTDに感染している場合はパートナーも感染している確率がかなり高くなります。
自分とパートナーが何度も感染を繰り返さないように一緒に治療することをおすすめします。
勇気を持って話してみましょう。

梅毒は早期治療することで後遺症が残らないのだ