ハヴィガーストについての看護師国家試験の過去問を集めました。ハヴィガーストの発達課題は過去の看護師国家試験に出題されています。
1、ロバート・ジェームズ・ハヴィガースト
アメリカの教育学者です。
人間の発達課題を提唱しました。
発達課題の源泉を3つに分けています。
- 身体的成熟
- 社会の文化的要請
- 個人の価値意識
発達課題の達成は個人の生活と関連しています。
発達段階は6つに分けています。
2、発達課題
人生の各段階の時期に生じる課題のことで、人間が健全で幸福な発達を遂げるために各発達段階で達成しなければならない課題のことです。
その時期の課題を達成できれば、その人は幸福になり次の課題のも容易に達成できるが達成できなければ、その人は不幸になり社会から承認されず、次の課題を成し遂げることが困難となるとされています。
1).乳幼児期
- 歩行の学習
- 固形の食物をとることの学習
- 話すことの学習
- 大小便の排泄を統御することの学習「排泄習慣の自立」
- 性の相違及び性の慎みの学習
- 生理的安定の獲得
- 社会や事物についての単純な概念形成
- 両親、兄弟及び他人に自己を情緒的に結びつけることの学習
- 正、不正を区別することの学習と良心を発達させること
2).児童期
- ボール遊び、水泳など普通のゲームに必要な身体的技能の学習
- 成長する生活体としての自己に対する健全な態度の養成
- 同年齢の友達と仲良くすることの学習
- 男子または女子としての正しい役割の学習
- 読み、書き、計算の基礎的技能を発達させること
- 日常生活に必要な概念を発達させること
- 良心、道徳性、価値の尺度を発達させること「内面的な道徳の支配、道徳律に対する尊敬、合理的価値判断力を発達させること」
- 人格の独立性を達成すること「自立的な人間形成」
- 社会的集団ならびに諸機関に対する態度を発達させること「民主的な社会的態度の発達」
3).青年期
- 同年齢の男女両性との洗練された新しい関係
- 自己の身体構造を理解し男性または女性としての役割を理解すること
- 両親や他の大人からの情緒的独立
- 経済的独立に関する自信の確立
- 職業の選択及び準備
- 結婚と家庭生活の準備
- 市民的資質に必要な知的技能と概念を発達させること「法律、政治機構、経済学、地理学、人間性、あるいは社会制度などの知識、民主主義の問題を処理するために必要な言語と合理的思考を発達させること」
- 社会的に責任のある行動を求め成し遂げること
- 行動の指針としての価値や論理の体系の学習、適切な科学的世界像と調和した良心的価値の確立「実現しうる価値体系をつくる、自己の世界観を持ち他人と調和しつつ自分の価値体系を守る」
4).壮年期
- 配偶者の選択
- 結婚相手との生活の学習
- 家庭生活の出発「第一子をもうけること」
- 子どもの養育
- 家庭の管理
- 就職
- 市民的責任の負担「家庭外の社会集団の福祉のために責任を負うこと」
- 適切な社会集団の発見
5).中年期
- 大人としての市民的社会的責任の達成
- 一定の経済的生活水準の確立と維持
- 十代の子どもたちが信頼できる幸福な大人になれるよう援助すること
- 大人の余暇活動を充実すること
- 自分と自分の配偶者をひとりの人間として結びつけること
- 中年期の生理的変化を理解しこれに適応すること
- 老年の両親への適応
6).老年期
- 肉体的な強さと健康の衰退に適応すること
- 隠退と減少した収入に適応すること
- 配偶者の死に適応すること
- 自分と同年輩の老人たちと明るい親密な関係を確立すること
- 肉体的生活を満足におくれるよう準備態勢を確立すること
3、過去の看護師国家試験
ハヴィガースト.R.J.の発達課題に関する説明で適切なのはどれか。
- 成長に伴い発達課題は消失する
- 各発達段階の発達課題は独立している
- 身体面の変化と発達課題は無関係である
- 発達課題の達成は個人の生活と関連する
4.発達課題の達成は個人の生活と関連する
ハヴィガースト.R.J.による発達課題のうち、老年期の発達課題はどれか。
- 健康の衰退に適応する
- 大人の余暇活動を充実する
- 個人としての自立を達成する
- 大人の社会的な責任を果たす
1.健康の衰退に適応する
ハヴィガースト.R.J.の老年期における発達課題として正しいのはどれか。
- 子どもを独立させる
- 満足できる収入を得る
- 配偶者の死に適応する
- 異世代の人と親密な関係を結ぶ
3.配偶者の死に適応する
ハヴィガースト.R.J.が提唱する老年期の発達課題はどれか。
- 子どもを育てる。
- 退職と収入の減少に適応する
- 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる
- 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する
2.退職と収入の減少に適応する
【不適切問題】
- 問題として適切であるが、必修問題としては妥当でないため。
ハヴィガースト,R.J.の発達課題で善悪の区別を学習するのはどれか。
- 乳幼児期
- 児童期
- 青年期
- 中年期
1.乳幼児期
4、追加問題
112回
ハヴィガースト,R.J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。
- 経済的に自立する。
- 身体的衰退を自覚する。
- 正、不正の区別がつく。
- 読み、書き、計算ができる。
1.経済的に自立する。
竜
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ