「緩和ケア」について、過去の看護師国家試験で良く出題されています。過去の問題を解いて点数アップしましょう。
1、緩和ケアとは
緩和ケアについて厚生労働省は次のように説明しています。
緩和ケアとは、病気に伴う心と体の痛みを和らげること
厚生労働省 緩和ケア
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
必修
緩和ケアの説明で適切なのはどれか。
- 入院が原則である。
- 家族もケアの対象である。
- 創の治癒を目的としている。
- 患者の意識が混濁した時点から開始する。
2.家族もケアの対象である。
必修
緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
- 疾病の治癒
- 余命の延長
- QOLの向上
- 在院日数の短縮
3.QOLの向上
一般
多発性骨転移がある終末期の大腸癌患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。
転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。
- 疼痛コントロールの状況
- 自宅の居住環境
- 大腸癌の術式
- 夫の面会頻度
1.疼痛コントロールの状況
一般
がん対策基本法で定められているのはどれか。
- 受動喫煙のない職場を実現する。
- がんによる死亡者の減少を目標とする。
- 都道府県がん対策推進計画を策定する。
- がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。
3.都道府県がん対策推進計画を策定する。
状況設定①
Aさん(50 歳、女性)は、子宮頸癌の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。
倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、
ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退
院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。
病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。
Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。
- 生活保護の手続きをするよう促す。
- 要介護認定の申請手続きをするよう促す。
- 家事をしてくれる人を雇用するよう促す。
- 訪問リハビリテーションの利用を勧める。
2.要介護認定の申請手続きをするよう促す。
状況設定②
(上記①の続きの問題)
看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。
- 理学療法士
- 管理栄養士
- 介護支援専門員
- 保健所の保健師
3.介護支援専門員
状況設定③
(上記②の続きの問題)
退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。
夫への支援で最も適切なのはどれか。
- 夫に頑張るよう励ます。
- 病院に入院するよう提案する。
- 麻薬の量を増やすことを提案する。
- Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。
4.Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。
3、ポイント
- 家族もケアの対象
- 目標:QOLの向上
- 優先:疼痛コントロールの状況
- がん対策基本法:都道府県がん対策推進計画を策定
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ