過去の看護師国家試験を解いて傾向を知り対策をすると合格率が高くなります。平成31年2月17日(日)に実施した看護師国家試験です。
平成31年2月14日(木)に実施した第102回助産師国家試験、平成31年2月15日(金)に実施した第105回保健師国家試験、平成31年2月17日(日)に実施した第108回看護師国家試験の問題および正答を公開する。
厚生労働省より
この記事では看護師国家試験のみ、まとめてあります。
1〜25問が必修問題、26〜90問が一般問題、91〜120問が状況設定問題とされていますが正式な発表はされていません。
合格基準
- 必修問題:40点以上/49点
- 一般問題・状況設定問題155点以上/250点
看護師国家試験の対策もあるのだ
まだ、覚えてない方は見てみると良いのだ
状況設定
次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(20歳、男性、大学生)は、炎天下で長時間サッカーをしていたところ転倒し、左膝と左側腹部を強打した。
「左膝がカクッと折れて力が入らない。左腹部が痛い」ことを主訴に救急外来を受診した。
受診時のバイタルサインは、体温37.0°C、呼吸数14/分、脈拍98/分、血圧102/58mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。
血液検査の結果、赤血球550万/μL、Hb16.0g/dL、Ht55%、白血球8,900/μL、CRP0.3mg/dLであった。
尿検査は尿潜血(-)、尿比重1.025、濃縮尿であった。
胸部・腹部・下肢のエックス線写真に異常なし。
胸腹部CTでは脾臓損傷を否定できなかった。このため、左半月板損傷と外傷性脾臓損傷を疑い入院となった。
91問
Aさんの状態をアセスメントするために、救急外来受診時に優先して観察すべき項目はどれか。
- 尿の性状
- 腸蠕動音
- 脈拍数
- 体温
3.脈拍数
92問
入院後3日、腹部CTの再検査で脾臓損傷は否定された。
また、左膝のMRI検査では、左半月板損傷と確定診断され、自宅療養することとなった。
退院準備中のAさんから「ベッドから立ち上がろうとしたら、左膝が曲がったままで伸びない。痛みはそれほどでもないです」と訴えがあった。
この時、医師への連絡と同時に看護師が実施することで適切なのはどれか。
- 作業療法士へ相談する。
- 下肢の関節可動域を確認する。
- 処方された鎮痛薬を服用させる。
- 下肢の徒手筋力テストを実施する。
2.下肢の関節可動域を確認する。
93問
医師による診察の結果、退院は中止になり、入院後5日に膝関節鏡を用いた手術を受けた。
手術後1週の診察で退院が決まり、医師から「取り外し可能なギプスを装着し、次の受診まで松葉杖を使い左足には負荷をかけないで生活をしてください」と説明された。
看護師がAさんに行う退院指導で、正しいのはどれか。
- 「負荷をかけない」とは痛くない程度に体重をかけることである。
- 患側膝関節の屈曲伸展を繰り返す運動をしてよい。
- 患側下肢の等尺性運動を実施する。
- 松葉杖は腋窩に密着させる。
3.患側下肢の等尺性運動を実施する。
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。
身長155cm、体重57kg。
Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。
乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。
医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。
94問
確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。
- MRI
- 針生検
- PET-CT
- マンモグラフィ
2.針生検
95問
Aさんは、乳房温存療法を希望したが、腫瘤が大きいため手術前に化学療法を受けることになった。
術前化学療法としてEC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)を3週ごとに、4サイクル受ける予定である。
Aさんに起こりやすい障害はどれか。
- 嗅覚障害
- リンパ浮腫
- 卵巣機能不全
- 末梢神経障害
3.卵巣機能不全
96問
Aさんは、職場の上司と相談し、仕事を継続しながら化学療法を受けることになった。
2サイクル目の治療のため、化学療法センターに来院した。
Aさんは「1回目の治療のあと、数日間身体がだるくて食欲もなく、体重が1キロ減りました。仕事も休みました」と看護師に話した。
身体所見:体温36.8°C、呼吸数16/分、脈拍70/分、血圧120/74mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。
検査所見:赤血球400万/μL、Hb12.5g/dL、Ht37%、白血球2,300/μL(好中球55%、単球5%、好酸球4%、好塩基球1%、リンパ球35%)、血小板18万/μL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CRP0.3mg/dL。
2サイクル目の化学療法を受けたAさんに行ってもらうセルフモニタリングで最も重要なのはどれか。
- 脈拍数
- 体温
- 血圧
- 体重
2.体温
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。
隣の市に娘がいる。
日常生活は自立している。
10年前に糖尿病と診断され、血糖降下薬を服用している。
最近の血液検査でHbA1cが8.5%のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。
医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。
97問
Aさんに自己注射を導入できるかを判断するための情報で最も重要なのはどれか。
- 細かい文字が読める。
- 運動療法を行っている。
- 近所に支援をしてくれる人がいる。
- 食品交換表の使い方を理解できている。
1.細かい文字が読める。
98問
Aさんは、医師から自己注射について説明された。
Aさんは医師に質問はないと答えたが、考え込んでいたため、看護師はAさんに心配なことがあるか質問した。
Aさんは「10年間、食事療法をがんばってきたのに、注射になるのですね。今後どうしたら良いかわからなくなりました」と話した。
この時の看護師の言葉かけで適切なのはどれか。
- 「もう少しがんばれると良かったですね」
- 「治療食の配食サービスを利用しましょう」
- 「私たちの指導通りに行えばうまくいきます」
- 「これまでの食事で工夫したことを一緒に振り返りましょう」
4.「これまでの食事で工夫したことを一緒に振り返りましょう」
99問
朝食前の自己注射によって、Aさんの血糖値は安定していた。
6年後、Aさんはサービス付き高齢者向け住宅に転居した。
転居後の外来受診時、Aさんは外来看護師に「施設の食堂で食事をしている。食堂に行く前は化粧で忙しいが、毎日楽しい。間食はしていない」と話す。
転居後2か月のHbA1c値が上昇していたため、外来看護師がAさんに質問すると「引っ越してから、注射を忘れることがあった」と話した。
Aさんの自己注射の手技に問題はなく、Mini-MentalStateExamination〈MMSE〉は29点だった。
Aさんの娘に確認すると、Aさんの自室の冷蔵庫に、未使用のインスリンが余っていることが分かった。
外来の看護師からAさんと娘への助言で最も適切なのはどれか。
- 訪問看護師に注射を依頼する。
- 注射をしたらカレンダーに印をつける。
- 化粧で使う鏡に「朝食前に注射」のメモを貼る。
- サービス付き高齢者向け住宅の職員にインスリンの残量を数えてもらう。
3.化粧で使う鏡に「朝食前に注射」のメモを貼る。
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。
障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。
腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。
入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。
看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。
身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。
体温36.8°C、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%。
意識レベル清明。
検査所見:Hb6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、ASTGOT45IU/LU/L、ALTGPT60IU/LU/L、Na130mEq/L、K4.2mEq/L。
100問
Aさんは全身の衰弱がみられるものの、Aさんの希望で病室のトイレには歩いて行くことになった。
看護師は、Aさんは転倒するリスクが高いと判断した。
Aさんの転倒要因はどれか。
2つ選べ。
- 貧血
- 腹水貯留
- 肝機能低下
- 低酸素血症
- 低カリウム血症
1.貧血
2.腹水貯留
101問
Aさんは昼間も寝ていることが多くなった。
Aさんは「食事はいらないけど冷たいものはほしい」と言い、看護師が準備した氷を少量食べることがある。
維持輸液を行っている。
医師から家族にAさんの臨終が近いとの説明があった。
家族は看護師に「食事をとらないと体力がなくなってしまう。苦痛なく最期を迎えさせてあげたいけれど、少しでも長く生きていてほしい」と言っている。
家族に対する看護師の説明で最も適切なのはどれか。
- 「食事を介助してください」
- 「点滴をしているので大丈夫です」
- 「食事に栄養補助食品を取り入れます」
- 「Aさんが食べたい物を持ってきてください」
4.「Aさんが食べたい物を持ってきてください」
102問
1週後、Aさんは反応がなくなり、尿量の減少、血圧の低下、下顎呼吸、チアノーゼがみられるようになり、家族が病室に集まった。
「最期に何かしてあげたいけれど、何ができるのかわかりません」と看護師に話した。
家族に対する看護師の対応で最も優先順位が高いのはどれか。
- Aさんに話しかけるように勧める。
- Aさんの全身清拭を行うように勧める。
- Aさんの背部にクッションを入れるように勧める。
- Aさんの好んでいた服に着がえさせるように勧める。
1.Aさんに話しかけるように勧める。
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。
診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病および脱水症と診断された。
Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。
Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。
左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。
103問
Aちゃんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 四肢の抑制を行う。
- 気をそらすよう工夫する。
- 点滴静脈内注射のラインを短くする。
- 点滴静脈内注射の必要性を説明する。
2.気をそらすよう工夫する。
104問
Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP4.8mg/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。
γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。
10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。
Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。
- イレウス
- 心筋梗塞
- アレルギー反応
- クループ症侯群
3.アレルギー反応
105問
Aちゃんの心臓超音波検査結果では、冠状動脈瘤の所見はなかった。
Aちゃんは、全身状態が安定したため退院することになった。
看護師からAちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
- 運動の制限がある。
- 定期受診が必要である。
- 水分摂取量の制限がある。
- 保育所への通所は2週間禁止する。
2.定期受診が必要である。
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。
事務の仕事をしている。
身長157cm、非妊時体重54kg。
妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。
血圧128/88mmHg。
尿蛋白(±)、尿糖(−)。
浮腫(±)。
Hb10g/dL、Ht30%。
子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。
非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。
106問
Aさんの妊婦健康診査時のアセスメントで適切なのはどれか。
- 妊娠性貧血
- 腟カンジダ症
- 胎児発育不全〈FGR〉
- 妊娠高血圧症候群〈HDP〉
1.妊娠性貧血
107問
妊婦健康診査後、Aさんは看護師に「毎朝30分、電車内で立ち続けているので職場までの通勤がとても疲れます」と話した。
看護師はAさんに、就労する妊娠中の女性に関する制度について説明した。
Aさんがこの時点で取得できるのはどれか。
- 産前休業
- 時差出勤
- 就業の制限
- 所定労働時間の短縮
2.時差出勤
108問
Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。
体重62kg、血圧126/76mmHg。
尿蛋白(−)、尿糖(−)。浮腫(±)。
子宮底長30cm、腹囲88cm。
Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 「水分を控えましょう」
- 「体重を減らしましょう」
- 「ガードルを着用しましょう」
- 「弾性ストッキングを着用しましょう」
- 「寝るときは足を高くして横になりましょう」
4.「弾性ストッキングを着用しましょう」
5.「寝るときは足を高くして横になりましょう」
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。
妊娠38週6日で3,200gの児を正常分娩した。
分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。
109問
産褥2日。
乳房の緊満はなく、熱感がある。
初乳から移行乳へと変化している。
Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。
産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。
児の体重は3,060gで、体重減少率は4.4%、排尿は3回/日、排便は2回/日である。
Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。
この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。
- 直接授乳の回数
- 母乳の分泌状態
- 児の体重減少率
- 児の排泄状況
3.児の体重減少率
110問
【不適切問題】
- 設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため。
産褥3日。
Aさんの子宮底は臍下3横指、硬度は硬い。
悪露は血性少量であった。
乳房は左右とも全体的に硬く触れ、熱感と発赤があり痛みを訴えている。
乳汁分泌状態は、乳管口は開口数左右5本ずつ、移行乳の分泌を認める。
Aさんのバイタルサインは体温37.9°C、脈拍72/分、血圧108/60mmHgであった。
Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。
- 産褥熱
- 子宮復古不全
- 乳腺炎
- 乳房緊満
3.乳腺炎
4.乳房緊満
111問
産褥4日。
Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。
Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。
児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。
Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 3時間ごとに授乳させる。
- 児が前屈姿勢になるように支える。
- 児が泣している時に授乳させる。
- 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
- 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
4.児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
5.児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。
11月に経理部へ異動となった。
新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。
異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。
その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。
主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。
また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。
受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。
112問
受診後のAさんの状況に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
- ストレスの増大
- うつ症状の悪化
- 睡眠薬の持ち越し効果
- SSRIの副作用〈有害事象〉
4.SSRIの副作用〈有害事象〉
113問
受診から1か月後、Aさんは11階の職場に向かう途中、エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。
その時は、息が止まってしまうように感じた。
それ以来、エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。
Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。
- 同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る。
- 抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する。
- ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する。
1.「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。
114問
Aさんのパニック発作は消失し、不眠も改善したため、睡眠薬の処方は終了となった。
Aさんは「もともと手足が冷えて寝つきが悪かったから、睡眠薬がなくなることが少し心配です。自分で工夫できることはあるでしょうか」と看護師に尋ねてきた。
看護師が以前の睡眠状況を尋ねると、睡眠時間は23時から6時までの7時間であったこと、手足が冷えて眠れない時は熱いシャワーを浴びてから布団に入っていたことを話した。
Aさんの睡眠へのセルフケアに対する看護師の指導で適切なのはどれか。
- 「休日は昼まで寝るようにしましょう」
- 「布団に入る時間を21時に早めましょう」
- 「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」
- 「眠れるまで布団の中でじっとしているようにしましょう」
3.「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」
次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。
喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。
長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。
Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。
今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。
入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。
Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。
115問
病棟看護師がAさんに行う在宅酸素療法に関する指導で適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 電磁調理器の使用を勧める。
- 外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
- 在宅酸素療法の機材が介護保険で給付される。
- 酸素濃縮器は日当たりのよいところに設置する。
- 呼吸困難時にAさんの判断で酸素流量を変更してよい。
1.電磁調理器の使用を勧める。
2.外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
116問
退院後の生活での問題点の確認のため、カンファレンスを開催することになった。
Aさんは、自宅での療養を強く希望しており、2L/分の酸素投与下で呼吸状態や日常生活動作ADLについては入院前と同程度まで回復してきているが、まだ退院後の買い物や洗濯などは負荷が強く、支援が必要と判断された。
また、Aさんは、呼吸困難の再発について不安を訴えている。
カンファレンスの検討内容で優先度が高いのはどれか。
- 電動ベッドの導入
- 娘の居宅への転居
- 急性増悪時の対応方法
- 介護予防短期入所生活介護の利用
3.急性増悪時の対応方法
117問
Aさんの退院後、訪問介護員は日常生活の支援のために週1回、訪問看護師は健康状態の確認と在宅酸素療法等について必要な指導を行うため月2回訪問することとなった。
退院後2週。
訪問看護師が訪問すると、Aさんは時々、食後に軽い呼吸困難が生じると訴えた。
この時の訪問看護師の指導で適切なのはどれか。
- 1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。
- 買い物を兼ねた外出の頻度を減らす。
- 食事の準備は訪問介護員に任せる。
- 食後すぐに排泄をする。
1.1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。
7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。
本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。
受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。
入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。
病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。
内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。
入院時のバイタルサインは、体温36.6°C、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。
血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。
改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。
118問
入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
- 頻脈がある。
- 低血糖である。
- フレイルである。
- 高度な認知機能の低下がある。
3.フレイルである。
119問
入院後、Aさんに活性型ビタミンD製剤と鎮痛薬、胃薬が追加で処方された。
追加された薬の説明は薬剤師から受けていたが、Aさんは病棟看護師に「薬は飲みたくない」と訴えた。
Aさんの訴えに対して病棟看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。
- 医師に相談する。
- 薬を一包化する。
- 服薬の必要性を説明する。
- 服薬に対する思いを聞く。
- 薬剤師に説明してもらう。
4.服薬に対する思いを聞く。
120問
Aさんは、入院中に要介護1と認定された。
退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。
退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。
長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。
外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。
- 「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」
- 「食べ物を目につく場所に置きましょう」
- 「近所に出かけないよう説明しましょう」
- 「入院した高齢者によくある症状です」
1.「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」