「リビングウィル」について、過去の看護師国家試験で比較的良く出題されています。選択肢でも使われるため覚えましょう。
1、リビングウィル
「生前意思」のことです。
終末期医療における事前指示書のことで、生前に行われる尊厳死対しての意思表示をすることです。
「延命措置の拒否」「平穏死や自然死を望む」など、終末期に自分がどのような医療を受けたいか文章に残して意思表示をします。
本人のリビングウィルを医師に提出している場合、家族が延命措置などを強く希望しても、本人のリビングウィルに記載されている医療が優先されます。
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
- アドヒアランス
- リビングウィル
- セカンドオピニオン
- インフォームド・コンセント
2.リビングウィル
過去問「状況設定」
Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。
Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。
午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。
父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。
到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-3。
バイタルサインは、体温36.4°C、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%。
顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。
四肢冷感を認める。
眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。
腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。
胃部不快感は受診前よりも改善している。
担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。
Aさんは、医師から「検査の結果、スキルス胃癌でした。膵臓や広範囲な腹膜への転移があって手術ができない状態でした。おそらく余命半年だと思います」と告知され、1週後に退院となった。
退院後3か月、Aさんは外来看護師に「ずいぶん腰痛と腹痛がひどく、腹水が溜まって動くのも大変になってきました。最期は人工呼吸器の装着など延命をしたくないのですが、それを意識がなくなったあとにも医師に伝える方法はありますか」と尋ねた。
そこで、看護師はAさんにリビングウィルの説明をすることにした。
Aさんに対して看護師が行うリビングウィルの説明で正しいのはどれか。
- 「法律で定められた文書です」
- 「父親のグリーフケアに必要な書類です」
- 「Aさんの自由意思で作成することができます」
- 「一度作成すると内容を変更することはできません」
3.「Aさんの自由意思で作成することができます」
次のことは覚えましょう。
- リビングウィル:生前意思
- 家族の希望より本人のリビングウィルが優先
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ