「地域包括支援センター」について、過去の看護師国家試験では比較的良く出題されています。選択肢でも良く出てくるため、覚えることをお勧めします。
1、地域包括支援センターとは
医療、介護、保健、福祉などを活用して「高齢者」を支える施設のことです。
目的は「地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援すること」です。
介護保険法で定められ、市町村に設置できます。
業務は次の4つなのだ
1).総合相談
高齢者やその家族などからも相談を受けてネットワークの構築や「社会資源」の紹介をします。
2).権利擁護
高齢者が地域で安全に安心して生活できるように権利を守ります。
「虐待」「金銭トラブル」であることを覚えます。
3).介護予防ケアマネジメント
高齢者が介護を必要な状態を予防するためのケア計画を立てます。
介護保険が今後必要になりそうな高齢者や介護で要支援を取得した高齢者が対象です。
- 運動機能向上
- 栄養改善
- 口腔機能向上
- 認知機能低下予防
- うつ病予防
など
4).包括的・継続的ケアマネジメント
高齢者が住み慣れた地域で生活できるように医療、介護、地域住民などのネットワークを構築し、その体制を作る支援をします。
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
介護保険法に基づき設置されるのはどれか。
- 老人福祉センター
- 精神保健福祉センター
- 地域包括支援センター
- 都道府県福祉人材センター
3.地域包括支援センター
過去問「必修」
平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。
- 保健所
- 市町村保健センター
- 地域包括支援センター
- 訪問看護ステーション
3.地域包括支援センター
過去問「一般」
家族からネグレクトを受けている高齢者について、地域包括支援センターに通報があった。
この通報を受けた地域包括支援センターが行う業務はどれか。
- 権利擁護
- 総合相談支援
- 介護予防ケアマネジメント
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援
1.権利擁護
過去問「一般」
地域包括支援センターの目的を定める法律はどれか。
- 介護保険法
- 健康増進法
- 社会福祉法
- 地域保健法
- 老人福祉法
1.介護保険法
過去問「状況設定」
Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。
Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。
午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。
父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。
到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-3。
バイタルサインは、体温36.4°C、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%。
顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。
四肢冷感を認める。
眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。
腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。
胃部不快感は受診前よりも改善している。
担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。
Aさんは緊急入院となり、医師から「少なくとも2週間程度の入院が必要です」と説明を受けた。
立ち会っていた看護師長にAさんは「最近、父の物忘れがひどくて、1人でどこかに行ってしまったこともあるので、家に帰せません。何とかなりませんか」と訴えた。
父親は要介護認定を受けているが、現在は介護保険サービスを利用せず、Aさんが介護をしながら生活していた。
Aさんの父親に対する看護師長の対応で適切なのはどれか。
- 自院への入院を調整する。
- 地域包括支援センターに相談する。
- 精神保健福祉センターに相談する。
- 特別養護老人ホームに入所相談する。
2.地域包括支援センターに相談する。
次のことは覚えましょう。
- 介護保険法で定められている
- 市町村に設置
- 目的は「地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援すること」
- 業務は「総合相談」「権利擁護」「介護予防マネジメント」「包括的・継続的ケアマネジメント」
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ