食事に関係することを過去の問題からポイントをまとめました。基本的なことを覚えるため試験対策だけでなく、看護師の仕事でも役に立ちます。
ポイントを覚えて確実に点数アップしていきましょう。
食事介助はポイントが多く過去の問題を見ても出題率が高くあります。
基本的なことが多いのでしっかり覚えます。
1、準備
食事介助は準備をすることも大切です。
患者の状態に合わせて準備する必要があります。
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
自力での摂取が困難な成人患者の食事介助で適切なのはどれか。
- 水分の少ない食べ物を準備する。
- 時間をかけずに次々と食物を口に入れる。
- 患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
- 患者の下顎が上がるよう高い位置からスプーンを操作する。
3.患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
過去問「必修」
自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。
- 水分摂取の介助を控える。
- 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
- 食事内容が見える位置に食器を配置する。
- 患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。
3.食事内容が見える位置に食器を配置する。
過去問「一般」
Aさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と2人暮らし。脳梗塞の既往がある。
妻から「最近、夫は食事をむせずに食べることができるが、口の中に食べ物が残っていることが多い。
夫の食事について助言が欲しい」と訪問看護師に相談があった。
妻への訪問看護師の助言で適切なのはどれか。
- 「食事にとろみをつけましょう」
- 「自助具を使って食事をしましょう」
- 「口に入れる1回量を少なくしましょう」
- 「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」
4.「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」
ポイントは一般問題になります。
患者に合わせて援助を考える必要があります。
問題では口腔期に問題があることがわかります。
次は選択肢についてみていきます。
- 「食事にとろみをつけましょう」
- 主に咽頭期に問題があるときにとろみが必要になります。
- 「自助具を使って食事をしましょう」
- 食事動作に問題があるときに自助具が必要になります。
- 「口に入れる1回量を少なくしましょう」
- 主に準備期に問題があるときに1回量を考える必要があります。
- 「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」
- 主に口腔期に問題があるときに舌の運動が必要になります。
摂食嚥下の5期をまとめてあるのだ
食事準備は基本を覚えます。
- 食事内容が見える位置に食器を配置する。
他にも「エプロン」「おしぼり」「入れ歯」「自助具」など、患者に合わせて必要なものを準備します。
2、姿勢
食事をする姿勢は誤嚥を予防することができます。
逆に姿勢が悪ければ誤嚥のリスクは高くなります。
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
Fowler〈ファウラー〉位で食事を摂るときの姿勢で誤嚥を予防するのはどれか。
- 頸部側屈位
- 頸部前屈位
- 頸部後屈位
- 頸部回旋位
2.頸部前屈位
過去問「必修」
成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
- 左側臥位
- 半側臥位
- 仰臥位
- 坐位
4.坐位
過去問「必修」
誤嚥しやすい患者の食事の援助で適切なのはどれか。
- 食材は細かく刻む。
- 水分の摂取を促す。
- 粘りの強い食品を選ぶ。
- 頸部を前屈した体位をとる。
4.頸部を前屈した体位をとる。
ポイントは頸部前屈が基本姿勢になります。
食後に坐位が胃食道逆流を防ぐ理由は重力により防ぐことができます。
坐位保持ができなければ重力に予防できる体位をとります。
正解答を覚えます。
- 誤嚥予防の姿勢は頸部前屈位
- 胃食道逆流予防の姿勢は坐位「重力により予防する」
他にも基本姿勢は「半座位」「ファーラー位」で食事を摂ります。
3、食事形態
誤嚥のリスクが高い患者は正しい食事を選択することが大切です。
誤嚥リスクも考えないといけませんが、嚥下機能の維持、向上となる食事形態が必要になります。
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
誤嚥を防ぐための食事介助で適切なのはどれか。
- パサパサした食べ物を準備する。
- 患者の体位は、頸部を後屈させ下顎を挙上させる。
- 食物を口に運んだスプーンは上方へ抜き取る。
- 飲み込んだのを確認してから、次の食物を口に入れる。
4.飲み込んだのを確認してから、次の食物を口に入れる。
過去問「必修」
嚥下障害のある患者の食事介助で適切なのはどれか。
- 水分はとろみをつける。
- 頸部を伸展する。
- 一口量を多くする。
- むせたときには水を飲ませる。
1.水分はとろみをつける。
過去問「必修」
嚥下障害のある成人患者への食事の工夫で最も適切なのはどれか。
- 冷たい料理は温める。
- 固い食材は細かく刻む。
- 汁物にはとろみをつける。
- 一口量はティースプーン半分を目安にする。
3.汁物にはとろみをつける。
過去問「一般」
嚥下障害のある患者の食事の開始に適しているのはどれか。
- 白湯
- 味噌汁
- ゼリー
- 煮魚
3.ゼリー
過去問「状況設定」
Aさん(42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の確定診断を受けた。
夫(50歳)と長女(16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。
要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。
食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。
夫に対する訪問看護師の対応として最も適切なのはどれか。
- 「食事の介助に時間をかけましょう」
- 「胃瘻からの栄養量を増やしましょう」
- 「介助方法に問題があるかもしれません」
- 「嚥下食の宅配サービスを頼んでみましょう」
- 「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
5.「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
過去問「状況設定」
A君(2歳6か月、男児)。
両親との3人暮らし。
脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。
話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。
食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。
排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
A君の食事について看護師が母親に尋ねると「食べこぼしが多く、食べながらうとうとしてしまい時間がかかるし、十分な量も食べられていません」と話した。
A君の食事に関する母親への指導で最も適切なのはどれか。
- 「経腸栄養剤の開始について医師と相談しましょう」
- 「ホームへルパーの依頼を検討しましょう」
- 「食事時間を20分以内にしましょう」
- 「ペースト食にしてみましょう」
4.「ペースト食にしてみましょう」
ポイントは状況設定問題になります。
患者の状態をアセスメントして食事形態を考える必要があります。
正解答を覚えます。
- 嚥下障害の食事開始はゼリー
- 嚥下障害があればとろみ
- 飲み込んだのを確認してから、次の食物を口に入れる。
- 「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
- 「ペースト食にしてみましょう」【患者の状態に合わせて食事形態を決める必要があります。】
4、まとめ
過去の問題以外にも基本的なことを覚えます。
- 準備
- 患者の体位を整える「半座位」「ファーラー位」
- 誤嚥予防の姿勢は頸部前屈位
- エプロン、おしぼり、入れ歯、自助具などを準備
- 誤嚥リスクが高ければ水分や汁物にとろみをつける
- 嚥下障害の食事開始はゼリー
- 配膳
- 食事を見わたせる位置に配膳
- 食事内容の説明
- 援助
- 液状の物から口へ運ぶ
- 健側から介助
- 健側の口腔内に食べ物を運ぶ
- 側臥位は健側を下にする
- 食べ物を飲み込んだことを確認してから次の食べ物を口に運ぶ
- 食後
- 口腔ケア
- 胃食道逆流予防の姿勢は坐位「重力により予防する」
- その他
- 「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
- 「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」【摂食嚥下の5期でアセスメント】
- 「ペースト食にしてみましょう」【患者の状態をアセスメント】
5、追加問題
112回
胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
- 座位
- 仰臥位
- 右側臥位
- 半側臥位
1.座位
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ