エリクソンについての看護師国家試験の過去問を集めました。エリクソンの発達段階は過去の看護師国家試験に出題されています。
1、エリク・ホーンブルガー・エリクソン
アメリカ合衆国の発達心理学者です。
アイデンティティの概念やエリクソンの心理社会的発達理論を提唱しました。
2、アイデンティティ
自我同一性のことで人生における最大の発達課題であるとされています。
青年期で獲得する発達課題であり、自己の価値観や過去から現在に至る一貫性のある自己意識をもち、自分がいったい何者で、いかに生きるべきかという基本的な問いに対して答えていかなければなりません。
これを自我同一性の確立といいます。
自我同一性の拡散
自我同一性はこれまでの発達課題の総仕上げ的な意味があると考えられています。
各時期の発達課題を乗り越えられなかった者は、その確立をめぐり深刻な危機に直面します。
本当の自分を自覚できずにどう生きたら良いかわからない状態を「自我同一性の拡散」「自我同一性の危機」などと呼びます。
モラトリアム
猶予のことで、ここでの説明は人生においてのモラトリアムになります。
心理社会的モラトリアムとも呼ばれ青年が学生を卒業してすぐに就職しない場合、就職するまでの猶予期間のことになります。
モラトリアムとなる要因としてライフイベントの中で上手くいかないことであり、例えば中学生時代の不登校によるひきこもりなどがあります。
他にも高度経済成長や大学の進学率など、社会の急激な変化により価値観の多様化とともに「青年が社会から早急に自立する」ことが求められなくなったことも要因になります。
学校に通うことも働くこともしない「ニート」と呼ばれる青年たちがわかりやすく、かつてはピーターパン症候群と呼ばれていました。
迷いながら自己の進むべき道を模索する準備期間など必要な期間だと考えられることがあります。
3、発達段階
1).乳児期
年齢:0歳〜1歳6ヶ月未満
発達課題:基本的信頼vs不信
獲得:希望
2).幼児前期
年齢:1歳6ヶ月〜3歳未満
発達課題:自律性vs恥、疑惑
獲得:意思
3).幼児後期
年齢:3歳〜6歳未満
発達課題:自主性vs罪悪感
獲得:目的
4).学童期
年齢:6歳〜13歳未満
発達課題:勤勉性vs劣等感
獲得:有能性
5).青年期「思春期」
年齢:13歳〜22歳未満
発達課題:同一性vs同一性の拡散「混乱」
獲得:忠誠心
6).成人期
年齢:22歳〜40歳未満
発達課題:親密性vs孤独
獲得:愛
7).壮年期
年齢:40歳〜65歳未満
発達課題:生殖性vs停滞
獲得:世話
8).老年期
年齢:65歳以上
発達課題:統合vs絶望
獲得:英知
4、過去の看護師国家試験
エリクソン.E.H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。
- 生殖性 対 停滞
- 勤勉性 対 劣等感
- 自主性 対 罪悪感
- 同一性 対 同一性混乱
4.同一性 対 同一性混乱
エリクソン.E.H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。
- 親密
- 同一性
- 自主性
- 基本的信頼
4.基本的信頼
エリクソンの発達課題における思春期の特徴はどれか。
- 勤勉性 対 劣等感
- 自律性 対 恥・疑惑
- 基本的信頼感 対 不信感
- 自我同一性の確立 対 自我同一性の拡散
4.自我同一性の確立 対 自我同一性の拡散
青年期の発達課題で最も適切なのはどれか。
- 社会的地位の確立
- 将来の方向性の選択
- 経済的な基盤の確立
- これまでの生き方の見直し
2.将来の方向性の選択
エリクソンによる幼児前期の発達課題はどれか。
- 基本的信頼
- 自律性
- 勤勉性
- 親密性
2.自律性
5、追加問題
112回
エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。
- 親密 対 孤立
- 自律性 対 恥・疑惑
- 勤勉性 対 劣等感
- 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散
3.勤勉性 対 劣等感
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ