「副腎皮質ステロイド」は看護師国家試験で良く出題されています。薬剤の問題は基本的なことが出題されることが多いため、点数を取りやすいです。
作用や副作用の問題だけでなく、誤回答の選択肢などにも良く出てくるためしっかりと覚えることをおすすめします。
1、作用
マーカー部分は覚えます。
- 抗炎症作用
- 免疫抑制作用
- 細胞増殖抑制作用
- 血管収縮作用
2、副作用
マーカー部分は覚えます。
- 骨粗鬆症
- 満月様顔貌
- 食欲亢進
- 中心性肥満
- 血糖上昇
- 血圧上昇
- 動脈硬化
- 脂質異常症
- 易感染性
- 消化性潰瘍
- 精神症状「気分変動、うつ」
他にもたくさんあるのだ
3、過去問
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。
- 便秘
- 口内炎
- 低血圧
- 骨粗鬆症
4.骨粗鬆症
過去問「必修」
副腎皮質ステロイドの作用はどれか。
- 体重の減少
- 血糖の低下
- 血圧の低下
- 免疫の促進
- 炎症の抑制
5.炎症の抑制
過去問「一般」
Aちゃん(11歳、女児)は、5日前から両側の眼瞼浮腫と急な体重増加があり、尿量が少ないため来院した。
高度の蛋白尿もみられたため入院し、ネフローゼ症候群と診断されステロイド治療の方針となった。
現時点でのAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
- 水分摂取を促す。
- 病院内を散歩して良いと伝える。
- 糖分の摂取制限があることを伝える。
- 一時的に満月様顔貌になることを説明する。
4.一時的に満月様顔貌になることを説明する。
過去問「状況設定」
Aちゃん(11歳、女児)。
眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。
その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。
Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。
入院後3週、ステロイド薬の副作用(有害事象)として、満月様顔貌が出現している。
他に明らかな副作用(有害事象)は出現していない。
ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。
Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。
- 日光を避ける。
- 体重の測定は毎日行う。
- 1か月は学校を欠席する。
- 入浴ではなくシャワー浴とする。
- 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。
5.満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。
過去問「状況設定」
Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。
1か月前から発熱、倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され治療目的で入院した。
入院時所見は身長160cm、体重55kg。
血圧142/80mmHg。
血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。
Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
- 「食事の制限はありません」
- 「倦怠感が強いときは薬の中止を検討します」
- 「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
- 「職場復帰に備えて天気の良い日は散歩しましょう」
- 「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」
3.「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
ポイントは副作用が出現しても、難治性の疾患であれば使用を続けることです。
4、まとめ
- 作用
- 抗炎症作用
- 副作用
- 骨粗鬆症
- 満月様顔貌
- 血糖上昇
- 易感染性
- 精神症状「気分変動、うつ」
- 過去問
- ステロイド薬の副作用(有害事象)は「骨粗鬆症」
- 副腎皮質ステロイドの作用は「炎症の抑制」
- ステロイド治療により「一時的に満月様顔貌になることを説明する。」
- 特発性ネフローゼ症候群のステロイド治療で「満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。」
- ステロイド治療により「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ