酸素ボンベの計算をわかりやすくまとめました。また、裏技を知人に教えてもらいましたが本当に使えるのか計算してみました。
酸素の計算は看護師国家試験でほぼ出題されます。
また実際の現場では酸素ボンベの計算がわからないと業務に支障がでます。
1、酸素ボンベ
酸素ボンベの色は黒です。
酸素は支燃性のガスで空気より重く、無色、無臭、無味です。
酸素ボンベは35℃の時に14.7MPa「150kg/c㎡」となるように充填されています。
14.7MPa=150kg/c㎡
酸素の計算問題は14.7MPaや150kg/c㎡で出題されることがほとんどなのだ
1).酸素が人体に与える影響
酸素ボンベは患者に直接酸素を吸入して使われることが多いです。
低酸素血症やCOPDの治療や、麻酔管理の目的などで使用されます。
酸素は治療に有効ですが、使い過ぎると合併症を引き起こすため注意が必要です。
- 酸素中毒
- CO2ナルコーシス
2、計算方法
順番に計算するの方法を説明します。
1).14.7MPaで充填の場合
500ℓの酸素ボンベの内圧計が7.35MPaを示している時の残量を計算します。
内圧計から酸素がどれぐらいあるかの割合を計算します。
7.35MPa÷14.7MPa=0.5
次に酸素量と割合を計算します。
500ℓ×0.5=250ℓ
酸素の残量の計算ができました。
2).150kg/c㎡で充填の場合
500ℓの酸素ボンベの内圧計が75kg/c㎡を示している時の残量を計算します。
内圧計から酸素がどれぐらいあるかの割合を計算します。
75kg/c㎡÷150kg/c㎡=0.5
次に酸素量と割合を計算します。
500ℓ×0.5=250ℓ
酸素の残量の計算ができました。
3).酸素使用可能量
看護師国家試験ではさらにここから
「酸素を2ℓ/分で吸入している患者の使用可能時間(分)を求めよ」
と使用可能時間を求められることが多いです。
そんなに難しくないのだ
酸素の残量と使用酸素量を計算します。
250ℓ÷2ℓ=125分
使用可能時間の計算ができました。
4).順番に計算すればできる
計算と聞くと「できない」「わからない」「苦手」と思う人は多いのではないでしょうか。
酸素の残量や使用可能時間は順番に計算をすれば意外と慣れるものです。
計算が苦手な人は計算問題を何度もしてみて下さい。
3、裏技
裏技はあらかじめ酸素の量を覚えておく方法です。
知人は看護師国家試験では
- 500ℓの酸素ボンベ
- 14.7MPa
- 150kg/c㎡
と決まった形で出題されることがあるため裏技を考えたそうです。
本当に使えるのか心配なのだ
1).14.7MPaで充填の場合
0.1MPaあたりの酸素量を覚えます。
500ℓ÷14.7=34.0136054…
小数点以下を四捨五入をします。
約34ℓになります。
0.1MPa=34ℓ
500ℓの酸素ボンベの内圧計が7.35MPaを示している時の残量を計算します。
7.35MPa×34ℓ=249.9ℓ
小数点以下を四捨五入をします。
250ℓ
酸素の残量の計算ができました。
四捨五入で答えが同じになったのだ
2).150kg/c㎡で充填の場合
1kg/c㎡あたりの酸素量を覚えます。
500ℓ÷150kg/c㎡=3.333333…
割り切れなかったので四捨五入をします。
約3.33ℓ
1kg/c㎡=3.33ℓ
500ℓの酸素ボンベの内圧計が75kg/c㎡を示している時の残量を計算します。
75kg/c㎡×3.33ℓ=249.75ℓ
小数点以下を四捨五入をします。
250ℓ
酸素の残量の計算ができました。
これも四捨五入で答えが同じになったのだ
3).考察
メリット
- 1回の掛け算で酸素の残量がわかる
デメリット
- 「0.1MPa=34ℓ」「1kg/c㎡=3.33ℓ」を覚える必要がある
- 500ℓの酸素ボンベに限定される
- 問題によって計算する桁が多くなる
- 正確ではない
デメリットばかりなのだ
結論
使えません(笑)
500ℓの酸素ボンベと限定された状況で使える可能性がありますが、デメリットが多すぎます。
500ℓの酸素ボンベと限定した状況だとわかっていても計算する桁が多くなる場合があるためやっぱり使えないと思います。
ちなみに計算する桁を減らすために「1kg/c㎡=3.33ℓ」を「1kg/c㎡=3.3ℓ」で計算してみました。
75kg/c㎡×3.3ℓ=247.5ℓ
誤差が2.5ℓもありました。
正確な答えが出せなければ尚更使えないと思います。
裏技を覚えるのであれば順番に計算する方法を覚えた方が良いと思います。
酸素ボンベの計算は慣れてしまえばどれも同じような問題になります。
関連記事に薬液希釈や点滴滴下の計算もまとめてあるのだ