フロイトについての看護師国家試験の過去問を集めました。フロイトの防衛機制は看護師国家試験に良く出題されています。自分に当てはめてみると意外と面白いものです。
1、フロイト
ジークムント・フロイトはオーストリアの精神科医で精神分析学の創始者になります。
また、娘であるアンナ・フロイトは父の研究をもとに児童精神分析を整理して防衛機制を発展させました。
防衛機制は看護師国家試験に良く出題されています。
2、こころの3要素
ジークムント・フロイトは、人間は無意識の過程があり人の行動はその無意識に左右されていると提唱しました。
こころの3要素は人間が根源的に抱いている本能的欲動を「イド」道徳的規範を「スーパーエゴ」その両方の間で適切な行動を探る「エゴ」のことです。
1).イド「エス」
「エス」とも呼ばれて、善悪はなく欲動を満足させようとするものになります。
また、イドは無意識であり精神エネルギーの源泉になります。
- 無意識
- 本能的欲動
- 生理的衝動
- 快楽を求め不快を避ける
2).スーパーエゴ「超自我」
「超自我」とも呼ばれて、欲動の満足に関して内的規範をします。
基本的に意識されないため、一般的に無意識とされていますが意識されることもあります。
また、自我の防衛機制を起こす原因されていてイドの要求に反対となることが多いです。
- イドを制止する
- 善悪の判断をする
- 道徳的禁止をする
3).エゴ「自我」
「自我」とも呼ばれて、イドとスーパーエゴの要求に対して調節をしています。
意識的、無意識的に本能的欲動の防衛、道徳的禁止の葛藤やそれに従う調節をしています。
また、現実の原則に従って機能し、防衛機制を働かせています。
- イドとスーパーエゴの調節
- 防衛機制
3、防衛機制
1).抑圧
現実困難な欲求や著しい苦痛や不快、自分にとって都合の悪い欲求など、意識すると自我に危険がある場合、無意識にそれを意識から封じ込めて忘れることです。
意識的に抑える場合は「抑制」になります。
- 心的外傷体験を抑圧する
- 道徳的禁止の欲求を抑圧する
2).投影「投射」
自分が持つ感情に対して持っていると気づかずに、相手が自分に対してその感情を持っていると思い込むことです。
- 自分がAさんを嫌いなことに気づかず、Aさんに嫌われていると思う
3).退行
受け入れ難い現実に直面することで現時点の発達段階からより低い発達段階に戻ることです。
一般的に幼児的世界に退行します。
- 赤ちゃんのように振る舞い周囲の気をひく
4).否認
証拠があるのに真実を受け入れ難い時に、その真実を認めず拒否することです。
- 見て見ぬ振りをする
- 自分の病気に医師による根拠があるのにその病気を認めない
- 自分にとって都合の悪い真実に対して都合の悪い嘘を言う
5).逃避
困難な問題や状況から逃げ出すことで不安や恐怖から逃れようとすることです。
- 健康で学校があるのに病気だと訴える
- 受け入れ難い現実からアルコールや薬物で紛らわす
6).代償
自分の欲求が叶えられない時に、類似する欲求を満たすこと満足しようとすることです。
代償には自分に対しての劣等感はありません。
- お金がなくライブに行けないから動画でライブを観る
7).補償
自分のある面の不満を他の面で努力して不満を解消することです。
補償には自分に対しての劣等感があります。
- 勉強ができないから運動を頑張る
8).昇華
社会的に認められていない欲求を社会的、文化的に認められている価値のあるものに打ち込むことでその欲求を解消することです。
- 失恋して勉強に打ち込む
- 破壊衝動をスポーツをして解消する
- 性的欲求を芸術として表現する
9).合理化
自分の間違った行動や欲求通りにならないことに対してもっともらしい理屈をつけて、失敗や欠点の責任転嫁や正当化をすることです。
- 大学に不合格したけど評判が悪いから落ちて良かった
- 寝坊して旅行に行けなかったけど、天気が雨だから行っても楽しくなかった
10).同一化
憧れや目標とする人など、自分が好む他人の長所や能力、状況など真似をすることです。
他人の考えや状況などを自分のものであると思うことは同一視になります。
- 憧れの人の話し方を真似る
- 好きなの芸能人のファッションを真似る
11).知性化
知性により統制することで感情を喪失させ、受け入れ難い衝動から生じる不安を解消することです。
- 自分の病気について学ぶことで不安を解消する
12).置き換え
受け入れ難い感情を対象の相手にぶつけるのではなく、別の対象にぶつけることです。
- 八つ当たり
- いじめ
- 先生に怒られてイライラする感情を母親にぶつける
13).反動形成
抑圧されている本能的衝動に対して反対の行動をします。
- 好きなのに素っ気なくする
- 嫌いなのに親切にする
4、過去の看護師国家試験
フロイト.S.のいう現実原則に従って機能し、防衛機制を働かせるのはどれか。
- イド
- 自我
- 超自我
- リビドー
2.自我
難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。
- 否認
- 昇華
- 知性化
- 合理化
- 反動形成
3.知性化
がんの告知を受けた患者の態度と防衛機制の組合せで正しいのはどれか。
- がんのことは考えないようにする
―投射 - がんになったのは家族のせいだと言う
―抑圧 - 親ががんで亡くなったので自分も同じだと話す
―代償 - 通院日に来院せず、家でゲームをしていたと話す
―逃避
4.通院日に来院せず、家でゲームをしていたと話す―逃避
昇華という防衛機制の説明で正しいのはどれか。
- 破壊的衝動をスポーツや文化的な活動に向ける
- 怒りの感情を直接相手にぶつけず物にあたる
- 嫌いな人に対して必要以上に丁寧に接する
- 他人の考えや良い面を模倣する
1.破壊的衝動をスポーツや文化的な活動に向ける
食事制限を守れない患者が「食べ過ぎたのは友人が夕食に誘ったからだ」と考える防衛機制はどれか。
- 反動形成
- 置き換え
- 合理化
- 退行
3.合理化
飲酒したい欲求を抑圧した人が、酩酊状態の人の行動を必要以上に非難する防衛機制はどれか。
- 昇華
- 転換
- 合理化
- 反動形成
4.反動形成
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ