「リスクマネジメント」について、過去の看護師国家試験ではあまり出題されていませんが、一般問題や状況設定問題にも出題されていることもあるため、過去の問題を一読することをお勧めします。
リスクマネジメントについて基本的なことは覚えましょう。
1、リスクマネジメント
「危機管理」のことです。
間違いによる損失や影響を最小限にするために、間違いが起こる可能性がある問題に事前に対応し管理をすることです。
「情報の共有」「ヒヤリハット」などの選択肢があります。
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
過去問「一般」
看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。
看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。
この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
- 看護師Aに対策を考えさせる。
- 看護師Aを注射の業務から外す。
- 作業中断の対策を病棟チームで検討する。
- 再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。
3.作業中断の対策を病棟チームで検討する。
過去問「一般」
インシデントレポートで適切なのはどれか。
- 責任追及のためには使用されない。
- インシデントの発生から1か月後に提出する。
- 主な記述内容はインシデントの再発防止策である。
- 実施前に発見されたインシデントの報告は不要である。
1.責任追及のためには使用されない。
過去問「一般」
病院における医療安全文化の醸成につながる行動はどれか。
- 食事介助は30分以内で行うルールを決める。
- 他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。
- 薬剤を間違えても影響がない場合は患者に説明しない。
- 水薬の内服時にこぼれた量が少ない場合はそのままとする。
2.他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。
過去問「状況設定」
Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。
中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。
看護師はノルアドレナリンの投与量を医師の指示書で確認した。
指示書には、午前6時に2mL/時間から1mL/時間へ投与量の減量の指示が記載されていたが、午前9時の投与量は2mL/時間のままであったことに気が付いた。
Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。
これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。
病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。
再発防止策で適切なのはどれか。
- 薬剤に関する研修会を企画する。
- 医療機器の操作方法を再教育する。
- インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
- 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。
4.医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。
ポイントは個人の責任を追求するのではなく、チームや病棟、病院など全体が情報共有して、同じ様な間違いを未然に防ぐために検討するためのものであることです。
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ