「世界保健機関」について、過去の看護師国家試験では、かなり良く出題されています。範囲も広いためポイントだけ覚えて点数アップをしましょう。
1、WHOとは
WHOは色々な国や地域が加盟し、日本も加盟しています。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)は1948年4月7日に、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立されました。
WHO憲章において、健康の定義として、病気の有無ではなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態にあることを掲げ、 人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることが基本的人権であると謳いました。
WHO本部があるのはスイスのジュネーブで、194の国と地域が加盟しています。世界各地に6つの地域事務局と約150か所のWHO事務所があり、職員数は7,000人を超えています。
WHOの仕事としては、新型コロナウイルスなどの感染症対策だけでなく、高血圧、肥満、がんなど多くの疾患に関する国際的なガイドラインなどを策定しています。「持続可能な開発目標(SDGs)」においては、だれもが必要な時に適切な医療を受けられるような仕組みづくりとしてユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)を提唱しています。
なお、WHO憲章がはじめて設定された4月7日を記念して、世界中で「世界保健デー」としてさまざまな健康のためのイベントが行われています。
公益社団法人日本WHO協会より
2、過去の問題
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
世界保健機関〈WHO〉が定義する健康について正しいのはどれか。
- 単に病気や虚弱のない状態である。
- 国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
- 肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
- 経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。
3.肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
過去問「必修」
世界保健機関〈WHO〉が平成12年(2000年)に提唱した「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」はどれか。
- 健康寿命
- 健康余命
- 平均寿命
- 平均余命
1.健康寿命
過去問「一般」
国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
- 国連難民高等弁務官事務所〈UNHCR〉ー有償資金協力
- 国連教育科学文化機関〈UNESCO〉ー児童の健康改善
- 世界保健機関〈WHO〉ー感染症対策
- 国際労働機関〈ILO〉ー平和維持活動
3.世界保健機関〈WHO〉ー感染症対策
過去問「一般」
国際保健に関する機関について正しいのはどれか。
- 国際協力機構〈JICA〉は国境なき医師団の派遣を行う。
- 国連開発計画〈UNDP〉は労働者の健康保護の勧告を行う。
- 世界保健機関〈WHO〉は国際疾病分類〈ICD〉を定めている。
- 赤十字国際委員会〈ICRC〉は国際連合〈UN〉の機関の1つである。
3.世界保健機関〈WHO〉は国際疾病分類〈ICD〉を定めている。
過去問「一般」
34問
【不適切問題】
- 設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため。
健康を人々の権利として明記したのはどれか。
- 世界保健機関〈WHO〉の健康に関する定義
- ジュネーブ宣言
- 世界人権宣言
- リスボン宣言
1.世界保健機関〈WHO〉の健康に関する定義
2.世界人権宣言
過去問「一般」
国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
- 国際労働機関〈ILO〉───難民の帰還支援
- 世界保健機関〈WHO〉───保健分野における研究の促進
- 国連人口基金〈UNFPA〉───平和維持活動
- 国連世界食糧計画〈WFP〉───二国間の国際保健医療協力
2.世界保健機関〈WHO〉───保健分野における研究の促進
過去問「一般」
世界保健機関〈WHO〉の主要な活動はどれか。
2つ選べ。
- 児童労働の撲滅
- 保健事業の技術的協力
- 人類の飢餓からの解放
- 感染症の撲滅事業の促進
- 労働者の労働条件の改善
2.保健事業の技術的協力
4.感染症の撲滅事業の促進
過去の問題で出題されたことがポイントになります。
次のことは覚えましょう。
- 健康の定義:肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
- 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間:健康寿命
- 役割
- 感染症対策
- 感染症の撲滅事業の促進
- 国際疾病分類〈ICD〉
- 保健分野における研究の促進
- 保健事業の技術的協力
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ