患者さんの中に暴言や暴力、迷惑行為などをする方がいます。その中でも脳梗塞後遺症や認知症、精神疾患などの病気による理由があります。
その時に患者さんを落ち着かせる頓服薬が医師の指示としてあるのですが、患者さんはこれを飲まない。
そんな時はどうしていますか?
この記事は「正しい対応」というより私の考えになります。
1つの看護観としてお付き合い下さい。
1、はじめに
頓服薬を飲まない患者さんの対応として、隔離や拘束、筋肉注射といった、医師の指示により半強制的に対応できる内容は外します。
あくまで経口からの内服を拒否する場合の対応の内容になります。
大きく分けて2つの内容なのだ
2、理解力がある
薬を無理やり飲ませることは絶対にしません。
もちろん食事や飲み物などに入れて飲ませることもしません。
理由はコンプライアンスを得られていないためです。
最近ではコンプライアンスではなく、アドヒアランスが注目されているのだ
理解力があれば、コミュニケーションを図れる可能性があるため、患者さんの思いを傾聴することが第一選択になります。
なぜ怒っているのか、なぜそのような行動をするのか、不満に思っていることについて解決する方法を一緒に考えます。
また、暴力や暴言、迷惑行為などは「良くないことである」と患者さんに悟らせます。
注意するのではなく同じことをされたらどう思うのか、その行為は良いことかを考えてもらいます。
それから頓服薬を促すと、ほとんどの患者さんは内服してくれます。
それでも内服してくれない場合は「自制できずに、また同じことをしたら次は飲んでくださいね」と約束をします。
理解力がある患者さんであれば、この一連の流れでほとんど解決できると思います。
問題は理解力がない患者さんの場合です。
3、理解力がない
理解力がない患者さんでも、理解力がある患者さんと同じ対応を試みます。
ほとんどの場合、患者さんの感情を逆撫でするだけに終わることが多いと思います。
対応する看護師を変えて何度も挑戦しますが、ほとんど内服できずに終わることが多いイメージです。
ここで私は医師に確認をとります。
なぜなら、看護師の業務は療養上の世話と診療の補助であって、治療は医師がするものだからです。
看護師だけの判断で「無理やり飲ます」「食事に混ぜる」「飲み物に混ぜる」などをすることは、医師の治療方針に沿っているのか疑問に思います。
医師に今の状況を説明してどのように内服させるのかを確認してから、その指示通りに内服を促します。
それでも上手く内服してくれない患者さんはいますが、医師の指示による行動が大切だと思います。
要するに看護師だけでは責任が取れないからなのだ
4、さいごに
あくまで私の対応方法です。
無理やり飲ますということも、その方の看護観があっての行動であるため、否定はしません。
医師に確認すると嫌な顔をされたりしますが、それも看護師の仕事だと割り切っています。