発熱がある患者にアイスノンを使う?使わない?どちらが良いのでしょう。この記事ではその効果について考えてみたいと思います。
発熱とは
正常な体温よりも高い体温を示す状態で、一般的に37.5℃以上が発熱とされています。
発熱は感染症やアレルギー、腫瘍、自己免疫疾患など、様々な原因によって引き起こされます。
アイスノンの効果
アイスノンは冷却効果があります。
これにより熱中症などの熱による症状に有効とされています。
また、発熱に伴う頭痛や倦怠感を軽減する効果もあります。
ただし、アイスノンの効果は個人差があるため注意が必要です。
発熱に対してはどうでしょうか。
先ほど「発熱に伴う頭痛や倦怠感を軽減する効果がある」とありましたが、実はアイスノンを使用することで、稀に体温が上昇する可能性があるのを知っていますか。
過剰な冷却によって血管が収縮しすぎると、血流が悪化して体温の調節機能が妨げられるからです。
エビデンス
2012年に発表されたランダム化比較試験によると、アイスノンを使用することで発熱患者の体温を有意に下げることができると示されました。
しかし、アイスノンを使用することで体温がどの程度下がるのか、下がった場合に発熱患者の症状が改善するのか、アイスノンが発熱患者にとってどの程度効果的であるかは科学的に十分な検証がまだありません。
考察
アイスノンを使用することで発熱患者の体温を有意に下げることは示されたので、体温を下げる効果はあります。
しかし、発熱が原因で起こる体温上昇はどんな時に起こるのでしょうか。
それは体内の免疫系の反応によって引き起こされるものであり、体内でウイルスや細菌などの病原体を撃退しようとする自然な反応として発熱します。
そのため、発熱している時にアイスノンで体温を強制的に下げることは、本来の免疫反応を妨げることになります。
つまり、発熱時にアイスノンの使用はしない方が良いと考えられます。
ただ、全てがこれに当たるわけではなく、アイスノンを使用した方が治療が効果的な場合もあるため医師の指示に従いましょう。
発熱でアイスノンを使用する場合は「気持ちいい」など、ストレスを軽減できる場合は使用して良いと思います。
ただ、過剰に冷やさないように注意が必要です。