歩行の援助では杖や松葉杖などを使う問題が良く出題されます。ポイントを覚えて確実に点数アップしていきましょう。
どんな問題が多いのでしょうか。
歩行の問題は比較的点数がとりやすいのでしっかりとポイントを覚えます。
1、姿勢
歩行で注意が必要なのは転倒です。
転倒しないように安全に歩行するには正しい姿勢で歩行することが大切です。
過去の問題を見てみます。
過去問「必修」
高齢者に現れやすい歩行の特徴はどれか。
- 歩幅が広くなる。
- 後傾姿勢になる。
- すり足歩行になる。
- 上肢の振りが大きくなる。
3.すり足歩行になる。
過去問「状況設定」
Aさん(80歳、男性)は、妻(80歳)と2人暮らし。
血管性認知症でパーキンソニズムがみられる。
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅡb、要介護2。
普段は妻がAさんの身の回りの世話をしているが、妻が入院したため短期入所療養介護のサービスを受けることになった。
入所時のAさんは歩行開始困難、加速歩行、すくみ足などの歩行障害がみられた。
Aさんは「最近、家の中でつまずくことが多くなりました」と入所中の施設の看護師に話した。
Aさんへの歩行指導で適切なのはどれか。
- 歩行時の方向転換は素早く行うようにする。
- 目線を足元に向けて歩くようにする。
- 足踏みをしてから歩くようにする。
- 歩行時はすり足で歩くようにする。
3.足踏みをしてから歩くようにする。
ポイントは高齢になると出現しやすくなる「すり足」です。
高齢者は筋力の低下があり姿勢が悪くなり、すり足になりやすいです。
すり足はつまずきやすいため、転倒になるリスクが高いです。
歩行の正しい姿勢は、立位の時に横から見ると「耳の後ろ、肩、くるぶし」が一直線になっています。
正しい歩行は背筋を伸ばして歩き、前足はかかとから地面につき、後足は蹴り出すことです。
- 正しい歩行
- 立位時は耳の後ろ、肩、くるぶしが一直線
- 前足はかかとから地面につき、後足は蹴り出す
- 正しくない歩行
- すり足
- 方向転換は素早く行う
- 目線を足元に向けて歩く
- 歩幅が狭い、広い
- 前傾、後傾姿勢
自分がどうやって歩いているか想像すると良いのだ
2、障害
視力障害や麻痺など、疾患により転倒のリスクが高くなります。
障害があるときの援助で注意が必要ことを覚えます。
過去の問題を見てみます。
過去問「一般」
片麻痺のある患者の歩行介助で正しいのはどれか。
- 患者の患側に立つ。
- 靴底は摩擦が少ないものを準備する。
- 杖を使用する場合は杖を持つ側で介助する。
- 階段を昇る場合は患側下肢から昇るように指導する。
1.患者の患側に立つ。
ポイントは患側に立つことです。
視力障害でも麻痺でも松葉杖などを使っていても基本は患側に立ちます。
患側に立つ理由は、視力障害では壁やつまずきやすい物に気付かない、麻痺ではバランスを崩した時に咄嗟に対処できないなどです。
- 患側に立つ
3、階段
階段の問題はあまり出題されませんが、1度見たら覚えれるため一読はお勧めします。
過去の問題を見てみます。
過去問「一般」
不全麻痺があり杖を使用している患者が階段をのぼるときの介助で適切なのはどれか。
- 患者の健側で一段上に立つ。
- 患者の健側で一段下に立つ。
- 患者の患側で一段上に立つ。
- 患者の患側で一段下に立つ。
4.患者の患側で一段下に立つ。
ポイントは階段の一段下に立つことです。
階段の援助ではバランスを崩すと転落するため受け止めることができる位置に立ちます。
- 階段の一段下に立つ
4、杖・松葉杖
杖や松葉杖を使った歩行を正しく覚えます。
過去の問題を見てみます。
過去問「状況設定」
Aさん(60歳、女性)は、身長155cm、体重70kgである。
エレベーターがあるマンションの4階に住んでいる。
左膝の痛みが徐々に増強し、趣味の茶道での正座や和式トイレの使用が困難になった。
Aさんは、変形性膝関節症と診断され入院した。
左膝の人工膝関節全置換術を受け、術後経過は順調である。
AさんはT字杖での三点歩行を開始することになった。AさんはT字杖を右手に持っている。
三点歩行の指導で適切なのはどれか。
- まず杖と右足を同時に出して、次に左足を出す。
- まず杖と左足を同時に出して、次に右足を出す。
- 杖をついた後で、右足を出し、次に左足を出す。
- 杖をついた後で、左足を出し、次に右足を出す。
4.杖をついた後で、左足を出し、次に右足を出す。
ポイントは杖の使い方です。
杖で説明しますが、松葉杖も基本は同じです。
- 杖を健側で持つ
- 杖を前に出す
- 患側の足を出す
- 健側の足を出す
平地や階段を降る時は杖、患側、健側の順番になります。
階段を昇る時では患側と健側が逆になるため注意が必要です。
逆になる理由は、階段を昇る時に足に力を入れないといけないからです。
そのため階段を昇る時は力が入る健側から足を出します。
- 平地、階段を降る
- 杖→患側→健側
- 階段を昇る
- 杖→健康→患側
5、まとめ
- 正しい歩行
- 立位時は耳の後ろ、肩、くるぶしが一直線
- 前足はかかとから地面につき、後足は蹴り出す
- 正しくない歩行
- すり足
- 方向転換は素早く行う
- 目線を足元に向けて歩く
- 歩幅が狭い、広い
- 前傾、後傾姿勢
- 患側に立つ
- 階段の一段下に立つ
- 杖→患側→健側「平地、階段を降る」
- 杖→健康→患側「階段を昇る」
勉強お疲れ様なのだ
休憩も必要なのだ