気分障害と呼ばれる疾患についてまとめました。
気分障害を聞いたことはありますか。
うつ病や躁病とどう違うのでしょうか。
気分が落ち込んだりハイテンションになることはあるのだ
1、気分障害とは
気分の変動が激しい「うつ病」「躁病」「双極性障害」など日常生活に支障をきたす病気の総称です。
気分障害でなくても気分が「落ち込む」「気分の高揚」などの経験はあると思います。
気分の変動があっても意識的、無意識的にコントロールをしているため日常生活は支障なく送ることができています。
しかし気分障害になると気分のコントロールができなくなり日常生活を送ることができなくなるだけではなく、身体が「だるい」「重い」などの身体症状や他人に「迷惑をかける」などがあります。
2、うつ病とは
抑うつ気分とは「憂うつ」「気分の落ち込み」などの状態です。この状態が強くなると抑うつ状態と言います。
うつ病とは抑うつ状態が重度であり「気分の落ち込み」「意欲の低下」「楽しみ、喜びを感じることが鈍い」などにより日常生活に支障をきたしている状態のことです。
詳しくまとめてあるのだ
1).日本人の発症率
100人に3〜7人に発症すると考えられています。
2).原因
詳しい原因はまだ解明されていませんが脳内の神経伝達物質によるものと考えられています。
神経伝達物質
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
他にも「脳の神経損傷」「副腎皮質ステロイド」「ストレス」などがあります。
3).症状
自覚症状
- 抑うつ気分
- 何をしても楽しくない
- 何に対しても興味がわかない
- 疲れているのに寝れない
- 1日中眠い
- かなり早く目覚める
- イライラ
- 何かに急き立てられ落ち着かない
- 何もしていなのに罪悪感を感じ自分を責める
- 自分を無価値だと思う
- 思考力低下
- 希死念慮
客観的症状
- 表情が暗い
- 涙もろい
- 反応が遅い
- 落ち着かない
- 飲酒量増加
身体的症状
- 食欲不振
- 倦怠感
- 易疲労感
- 性欲減退
- 頭痛
- 肩こり
- 動悸
- 胃部不快感
- 便秘
- めまい
- 口渇
精神的症状
- 妄想
3、躁病とは
気分が高揚して開放的になり、怒りっぽい「易怒性が出現しやすい」、延々としゃべる「多弁」、万能感の出現「誇大妄想」、考えや思考がどんどん湧いて出てくる「思考即迫」などの症状が続いている状態です。
軽躁状態とは躁の症状があっても社会的機能に著しく支障をきたさない状態のことです。
躁病とは躁の症状により「人間関係が崩れる」ギャンブルや買い物することで「お金の浪費が激しい・計画のない借金をする」「犯罪を犯す」など社会的機能に支障をきたす状態のことです。
単極生のうつ病は診断されますが単極生の躁病は双極性障害と診断されます。
躁病だけの診断はないのだ
1).原因
詳しい原因はまだ解明されていませんが脳内の神経伝達物質によるものと考えられています。
神経伝達物質
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
他にも「アルコール、薬物の乱用」「脳腫瘍」「抗うつ薬」などの薬剤、「ストレス」「性格」「環境」などがあります。
2).症状
自覚症状
- 不眠「だが元気に活動できる」
- 高揚感
- 開放感
- 多幸感
- 希死念慮
客観的症状
- 多動
- 多弁
- 浪費「金銭感覚の欠乏」
- 易怒性
- 大声
- 自己中心的
- 暴力
- 暴言
- 我慢できない
- 支離滅裂
- 判断力の欠乏
- 無秩序
- 性的逸脱
- 集中力低下
- 上機嫌
- 病識の欠如
身体的症状
- 食欲亢進
- 性欲亢進
- 体重減少
- 頻尿
- 残尿感
精神的症状
- 妄想
4、双極性障害とは
昔は「躁うつ病」と呼ばれていました。
うつ病の状態と軽躁状態や躁病の状態を繰り返す状態のことです。
1).分類
分類があるのだ
双極Ⅰ型障害
「うつ状態」「激しい躁状態」が続を繰り返す状態です。
双極Ⅱ型障害
「うつ状態」「軽躁状態」が続を繰り返す状態です。
2).発症率
双極Ⅰ型障害の発症率は100人に1人に発症すると考えられています。
双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害を合わせた発症率は100人に2〜3人に発症すると考えられています。