過去の看護師国家試験を解いて傾向を知り対策をすると合格率が高くなります。平成30年2月18日(日)に実施した看護師国家試験です。
平成30年2月15日(木)に実施した第101回助産師国家試験、平成30年2月16日(金)に実施した第104回保健師国家試験、平成30年2月18日(日)に実施した第107回看護師国家試験の問題および正答を公開する。
厚生労働省より
この記事では看護師国家試験のみ、まとめてあります。
1〜25問が必修問題、26〜90問が一般問題、91〜120問が状況設定問題とされていますが正式な発表はされていません。
合格基準
- 必修問題:39点以上/48点「但し、必修問題の一部を採点対象から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について、38点以上/47点、37点以上/46点、36点以上/45点、36点以上/44点、35点以上/43点又は34点以上/42点とする。」
- 一般問題・状況設定問題154点以上/247点
看護師国家試験の対策もあるのだ
まだ、覚えてない方は見てみると良いのだ
状況設定
次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。
不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。
荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。
脂質異常症の既往がある。
91問
Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果(別冊No.7)を別に示す。
このときの心電図の所見で適切なのはどれか。
- 発作時はST低下がある。
- 発作時はP波が低下している。
- 安静時は異常Q波がある。
- 安静時は冠性T波がある。
- 安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。
1.発作時はST低下がある。
92問
検査の結果、Aさんは労作性狭心症と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。
その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。
内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。
カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。
手術中から抗凝固療法を実施している。
手術直後の観察項目として適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 乏尿の有無
- 皮膚の黄染
- 出血の有無
- 両足背動脈の触知
- 穿刺部位の感染徴候
3.出血の有無
4.両足背動脈の触知
93問
Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。
Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 「水分摂取を控えましょう」
- 「肉類を多く食べましょう」
- 「睡眠時間を確保しましょう」
- 「自動車の運転はやめましょう」
- 「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」
3.「睡眠時間を確保しましょう」
5.「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(55歳、男性)。
胃癌のため胃全摘出術を受けた。
術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。
既往歴に特記すべきことはない。
入院時身長166cm、体重78kg。
手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。
このときのバイタルサインは、体温37.1°C、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。
Hb13.8g/dL。
尿量60mL/時。
意識清明、心音および呼吸音に異常なし。
頸静脈怒張なし。
下肢に浮腫なし。
創部に熱感や発赤を認めない。
腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。
94問
このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
- 貧血のため脈拍が速い。
- 疼痛のため血圧が高い。
- 創部感染のため体温が高い。
- 心不全のため呼吸数が多い。
2.疼痛のため血圧が高い。
95問
手術後5日からAさんの食事が開始された。
Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。
現状で最も考えられるのはどれか。
- 術後せん妄
- 乳糖不耐症
- 偽膜性大腸炎
- ダンピング症候群
4.ダンピング症候群
96問
手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。
Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。
- 1回の食事量を増やす。
- 海草を積極的に摂取する。
- 食後の冷汗が出現した際には身体を温める。
- 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。
4.空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(75歳、女性)。
1人暮らし。
脳梗塞の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。
最近、夜間に中途覚醒することが多い。
昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。
転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。
エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折と診断され、入院した。
97問
Aさんの骨折に対して保存療法が行われることとなった。
骨折の固定法を図に示す。
Aさんの骨折部の固定として適切なのはどれか。
3.
98問
入院後2日。
Aさんは日中、ベッドで横になってテレビを観ていることが多い。
Aさんが尿意を訴えたため、看護師が付き添ってトイレに行くことになった。
移動の方法として適切なのはどれか。
- 右腕を使って起き上がる。
- しばらく座位をとってから立ち上がる。
- 骨折部の痛みがあるときも歩いてトイレに行く。
- ベッドの高さは腰掛けたときにつま先が床に着くよう調整しておく。
2.しばらく座位をとってから立ち上がる。
99問
Aさんは入院後7日で退院し、介護老人保健施設に入所した。
現在はリハビリテーションを行っている。
退所後の再転倒を予防するためのAさんへの指導で適切なのはどれか。
- 家の中で過ごす。
- 歩幅を小さくして歩く。
- 足関節の底背屈運動をする。
- 就寝前に睡眠薬を内服する。
3.足関節の底背屈運動をする。
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。
Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギーと診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。
保育所では卵を除去した給食が提供されている。
Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。
保育士に連れられて救急外来を受診した。
Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。
100問
受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。
- 体温
- 心拍数
- 腸蠕動音
- 蕁麻疹の範囲
2.心拍数
101問
Aちゃんは、食物アレルギーによるアナフィラキシーと診断された。
アドレナリンの筋肉内注射の後、点滴静脈内注射による補液と酸素吸入が開始された。
バイタルサインは問題なく、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%であったが、経過観察のため入院となった。
Aちゃんは「お母さんに会いたい。おうちに帰りたい」と泣き始めた。
母親は、保育所から連絡を受けて病院に到着し、医師から現在の病状について説明を受けた。
母親は「Aは大丈夫ですか」と看護師に不安を訴えていた。
母親への看護師の対応として最も適切なのはどれか。
- 入院中の生活の留意点を説明する。
- 父親が到着するまで待合室で待機してもらう。
- 来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。
- Aちゃんが食物アレルギーと診断されたときの母親の思いを聴く。
3.来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。
102問
翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。
母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。
このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。
- 「保育所はしばらくお休みしましょう」
- 「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」
- 「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
- 「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」
3.「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。
看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。
羊水混濁はなかった。
身体所見:身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。
直腸温37.8°C、呼吸数55/分、心拍数150/分。
大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。
胎脂は腋窩にあり。
筋緊張は強く、四肢は屈曲位。
皮膚は厚い。
うぶ毛は背中の1/2にあり。
耳介は硬い。
精巣は両側ともに完全に下降。
外表奇形はなし。
検査所見:Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。
臍帯動脈血pH7.30。
103問
この児のアセスメントで適切なのはどれか。
- 新生児仮死
- 成熟児
- 高体温
- 水頭症
2.成熟児
104問
出生後2時間。
児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5°C、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。
心雑音はなし。
鼻翼呼吸および呻吟がみられた。
四肢末端にチアノーゼあり。
この児の状態で考えられるのはどれか。
- 胎便吸引症候群〈MAS〉
- 呼吸窮迫症候群〈RDS〉
- 心室中隔欠損症〈VSD〉
- 新生児一過性多呼吸〈TTN〉
4.新生児一過性多呼吸〈TTN〉
105問
日齢7。
児の体重は2,930g(前日より30g増加)。
バイタルサインは、腋窩温37.0°C、呼吸数50/分、心拍数140/分。
大泉門は平坦。
排尿7回/日、排便10回/日の普通便である。
経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dL。
児の母親は母乳育児を希望している。
母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。
直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。
母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。
母親への対応で最も適切なのはどれか。
- 「乳房を温めましょう」
- 「哺乳量を測りましょう」
- 「搾乳も追加であげましょう」
- 「このまま直接授乳を続けて良いですよ」
4.「このまま直接授乳を続けて良いですよ」
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性)は、23歳で統合失調症を発症し、精神科病院へ5回入院したことがある。
1年前に、被害妄想が原因で隣人に暴力を振るい措置入院となった。
入院後2か月で自傷他害の恐れは消失し、医療保護入院へ切り替えられたが、幻覚や妄想があり家族へ1日に何回も電話をかけていた。
その後は家族へ電話をかける回数が減り、病棟での生活も安定してきた。
幻聴は続いているが、自分の身の回りのことは自分で行えるようになった。
作業療法も継続して参加できていることから、退院を検討することになった。
106問
Aさんの退院について、両親は「退院は反対。入院前のように隣人とトラブルになるのではないかと不安です。私達も高齢になってきたので負担が大きいです」と話した。
このときの両親への看護師の対応で適切なのはどれか。
- 退院後に活用できる社会資源について情報提供する。
- Aさんの主治医に入院の継続を依頼するよう勧める。
- Aさんの現在の病状を隣人に説明するよう勧める。
- 退院の承諾は家族の義務であることを伝える。
1.退院後に活用できる社会資源について情報提供する。
107問
その後もAさんの両親は、高齢であることを理由に自宅への退院には同意しなかった。
Aさんの退院を計画的に進めるために行うことで適切なのはどれか。
- 精神医療審査会の開催
- 入院診療計画書の修正
- 行動制限最小化委員会の開催
- 医療保護入院者退院支援委員会の開催
4.医療保護入院者退院支援委員会の開催
108問
Aさんの退院については、アパートでの単身生活か、共同生活援助グループホームでの生活を目指すことになった。
Aさんの精神科リハビリテーションを進めるにあたり、病棟看護師が連携する職種で最も優先度が高いのはどれか。
- 退院後生活環境相談員
- 理学療法士
- 介護福祉士
- 栄養士
1.退院後生活環境相談員
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。
Aさんは5年前に2型糖尿病と診断された。
1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。
炊事は主にAさんが担当している。
Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。
定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。
Aさんのバイタルサインは、体温36.4°C、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。
身長154cm、体重68kgである。
109問
このとき、外来看護師がAさんに行う指導で適切なのはどれか。
- 糖質を含まない水分を摂取する。
- 労作後は食事摂取量を増やす。
- 決まった食事時間を設定する。
- 空腹感に応じて食事を摂る。
3.決まった食事時間を設定する。
110問
1か月後、Aさんと一緒に外来を訪れた長女は「今までインスリンの治療は母に任せてきましたが、母は眼が見えにくく、インスリンの量が多い日があったようです。母が自己注射を続けられるように、私も手伝えればと思います」と外来看護師に話した。
外来受診時、Aさんに末梢神経障害の症状は認められず、手指の動きに問題はなかった。
Aさんがインスリン自己注射を行う上で、外来看護師が行う長女への助言で適切なのはどれか。
- 「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
- 「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」
- 「注射の針はつけたままにしましょう」
- 「注射の部位は上腕を選びましょう」
1.「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
111問
6か月後の外来受診時に、同席していた長女が「甘い物ばかり食べる母を叱ってしまいます」と外来看護師に話した。
Aさんは黙って話を聞いていた。
前回の受診から低血糖症状はなく、体重は3kg増加した。
Aさんは日中テレビを観て過ごしていることが多い。
外来看護師が別室で長女に提案する内容で最も適切なのはどれか。
- 「糖尿病食の作り方を覚えましょう」
- 「厳しいことを言わないようにしましょう」
- 「甘い物をAさんから見えない場所に置きましょう」
- 「甘い物を食べてしまうAさんの気持ちを聞いてみましょう」
4.「甘い物を食べてしまうAさんの気持ちを聞いてみましょう」
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(38歳、男性)。
23時ころ、徒歩で来院した。
Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。
Aさんは英語は話せないようだった。
Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。
妻は1時間後に病院に到着できるということだった。
この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。
112問
医師の診察までに救急外来の看護師が行う対応として適切なのはどれか。
- Aさんの在留資格を確認する。
- Aさんの母国の大使館に連絡する。
- Aさんの理解度に応じた日本語で症状を聴取する。
- 妻が来院するまでAさんに待合室で待ってもらう。
3.Aさんの理解度に応じた日本語で症状を聴取する。
113問
Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。
妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。
心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。
しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。
このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。
- 検査の手順を説明する。
- 学校は退学にならないことを説明する。
- 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。
- 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。
4.医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。
114問
入院後2日、冠動脈造影〈CAG〉が実施された。
冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎と診断された。
胸痛に対して消炎鎮痛薬が5日分処方された。
処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。
看護師の対応で優先されるのはどれか。
- Aさんの痛みの程度を確認する。
- 医師に鎮痛薬の増量を相談する。
- Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。
- Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。
1.Aさんの痛みの程度を確認する。
次の文を読み115、116の問いに答えよ。
Aさん(82歳、男性)。
妻との2人暮らし。
障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。
Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。
身長165cm、体重55kg。
Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。
115問
初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。
この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。
- 先行期
- 準備期
- 咽頭期
- 食道期
2.準備期
116問
Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。
体重は1か月間で2kg減少していた。
他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。
このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。
- 脱水
- 筋肉量の減少
- 胃酸の分泌増加
- 関節可動域〈ROM〉の制限
2.筋肉量の減少
次の文を読み117、118の問いに答えよ。
Aさん(31歳、初産婦)。
妊娠40週1日。
Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。
入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。
117問
Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。
このときの胎児心拍数陣痛図(別冊No.8)を別に示す。
胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。
- 陣痛間欠4分
- 陣痛発作10秒
- 母体脈拍数50/分
- 胎児心拍数基線150〜160bpm
4.胎児心拍数基線150〜160bpm
118問
このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。
昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。
Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。
このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。
- 「陣痛に合わせていきんでみましょう」
- 「眠いときは眠るようにしましょう」
- 「階段の昇り降りをしましょう」
- 「お風呂に入ってみましょう」
2.「眠いときは眠るようにしましょう」
次の文を読み119、120の問いに答えよ。
Aさん(17歳、高校生)。
身長158cm、体重48kg。
Aさんは最近、月経時に下腹部痛が繰り返し出現し、寝込むことが多くなった。
心配した母親と一緒に、Aさんは産婦人科クリニックを受診し、医師から機能性月経困難症と診断された。
既往歴に特記すべきことはない。
119問
Aさんの下腹部痛についての説明で適切なのはどれか。
- プロスタグランディンの過剰産生によって起こる。
- 無排卵性の月経によって起こる。
- 卵巣内のうっ血によって起こる。
- 経血の流出によって起こる。
1.プロスタグランディンの過剰産生によって起こる。
120問
Aさんは「次の月経からは、痛みがあれば、処方された鎮痛薬を飲むようにします。部活動で毎日ジョギングをしていますが、その他に日常生活で気を付けることを教えてください」と看護師に聞いてきた。
このときの看護師の指導で適切なのはどれか。
- 運動量を増やす。
- 下腹部を温める。
- 葉酸を含む食品は控える。
- 腰部のマッサージは控える。
2.下腹部を温める。