5%グルコン酸クロルヘキシジンを用いて0.2%希釈液1000mlを作るのに必要な薬液量をどれか。ステップアップ問題もあります。
看護師国家試験ではこのような問題が良く出題されます。
計算方法は色々あるので自分が計算しやすい方法を身につけることが大切です。
計算がすでに嫌なのだ
1、計算の前に
5%グルコン酸クロルヘキシジンを用いて0.2%希釈液1000mlを作るのに必要な薬液量はどれか。
この問題を解く前に理解していた方が良いことがあります。
それは%「パーセント」です。
理解している方は「当たり前のこと」「いまさら」と思うかもしれませんが、%が苦手な方は多くいると思います。
%は理解した方が良いのだ
1).%「パーセント」
%は百分率のことで全体を100として示す割合のことです。
例えば10%の食塩水100mlの場合で考えます。
塩と水を足した食塩水を「100%」とするときの内訳は
- 塩が10%
- 水が90%
になります。
つまり塩10gと水90mlが混ざり合ってできたものが食塩水100mlになります。
「1ml=1g」なのだ
2).「%」を「数」に変換
計算をするためには「%」を「数」に変えないと計算ができません。
%は百分率であるため1つのものを100として示しています。
そのため「100%は1」と同じ意味になります。
100%の「100」に百分率の100で割れば1になります。
100%÷100=1
1%の場合は「1%÷100=0.01」となります。
百分率だから「100」で割るのだ
3).計算方法
10%の食塩水100mlの場合では10%を数に変えます。
10%÷100=0.1
「食塩水」×「%を数にしたもの」=「塩」
100ml×0.1=10g
「食塩水」−「塩」=「水」
100ml−10g=90ml
これで食塩水の割合が塩10gと水90mlが混ざり合ってできたものだとわかりました。
4).公式
先程の「食塩水」×「%を数にしたもの」=「塩」を良くみてみると
溶解全体量×濃度=溶質量
が公式であることがわかります。
溶解全体量:食塩水
濃度:%を数にしたもの
溶質量:塩
ふむふむ
5).応用
塩10gと水90mlが混ざり合ってできた食塩水100mlの濃度は何%であるかの計算をします。
溶解全体量:100ml
濃度:解答
溶質量:10g
100ml×濃度=10g
この時に両辺に「100」で割ると
100ml÷100×濃度=10g÷100
濃度=0.1
となります。
これで濃度が「0.1」であることがわかりました。
「0.1」を%に変えるためには「%」を「数」に変えた時と逆のことをすれば良いです。
0.1×100=10%
なるほどなのだ
2、色々な計算方法
薬液濃度の計算は考え方により色々な計算式が成り立ちます。
どれも難しく感じるのだ
1).公式
1番わかりやすいのは公式を覚えることです。
希釈濃度÷原液濃度×作成量=必要原液量
公式を覚えて当てはめれば解くことができます。
2).倍率
共通している単位の倍率を調べてその倍率を使い計算する方法です。
3).比の計算
共通していることから比率を使い計算する方法です。
3、計算
5%グルコン酸クロルヘキシジンを用いて0.2%希釈液1000mlを作るのに必要な薬液量を計算します。
ややこし計算なのだ
1).公式
希釈濃度÷原液濃度×作成量=必要原液量
希釈濃度:0.2%希釈液
原液濃度:5%グルコン酸クロルヘキシジン
作成量:希釈液1000ml
必要原液量:解答
0.2%÷5%×1000ml=解答ml
0.04×1000ml=40ml
2).倍率
共通している単位:%
5%を0.2%にするためには何倍必要か計算します。
5%×倍率=0.2%
倍率=0.2%÷5%
倍率=0.04
倍数がわかったので希釈液にも同じ倍数を掛けます。
1000ml×0.04=40ml
計算している方法は公式と同じです。
3).比の計算
共通していること:グルコン酸クロルヘキシジン
0.2%希釈液1000mlのグルコン酸クロルヘキシジン量を計算します。
1000ml×0.2%=2g
次に5%のグルコン酸クロルヘキシジン量を計算します。
この時の希釈液は何mlでも良いですが比の計算で使用します。
希釈液を100mlで計算しました。
100ml×5%=5g
100mlの希釈液から5gのグルコン酸クロルヘキシジンが作れるとき、2gのグルコン酸クロルヘキシジンを作るための比の計算をします。
5g:100ml=2g:解答ml
200=解答ml×5g
200÷5g=40ml
比の計算で使う希釈液
%の計算を簡単にできる方は問題にある希釈液1000mlを使う方が理解しやすいかもしれません。
0.2%のグルコン酸クロルヘキシジン量=2g
5%のグルコン酸クロルヘキシジン量=50g
50g:1000ml=2g:解答ml
2000=解答ml×50g
2000÷50g=40ml
4、ステップアップ問題
医師より「10%塩酸リドカイン液10mlをブドウ糖液に混ぜ合わせて500mlにして、2mg/分で点滴静脈内注射」という指示が出ました。1分あたり何mlで落とせば良いか。
この問題では単位を合わせる必要があります。
「1ml=1g=1000mg」なのだ
1).公式
希釈濃度÷原液濃度×作成量=必要原液量
希釈濃度:原液が1つのためなし
原液濃度:塩酸リドカイン2mg/分の%
作成量:ブドウ糖500ml
必要原液量:解答
希釈濃度がないため公式が変わります。
原液濃度×作成量=必要原液量
原液濃度2mgが塩酸リドカイン総量に対して何%であるか求める必要があります。
10%塩酸リドカイン液10mlから塩酸リドカインの総量を求めます。
10ml×10%=1g
単位を合わせる必要があるため「g」を「mg」にします。
1g×1000=1000mg
%を計算します。
2mg÷1000mg=0.002
0.002×100=0.2%
塩酸リドカインを0.2%/分で落とせば良いことがわかりました。
0.2%×500ml=1ml
2).倍率
共通している単位:g「%やmgでもok」
10%塩酸リドカイン液10mlから塩酸リドカインの「g」を計算します。
10ml×10%=1g
2mgを「g」に合わせます。
2mg÷1000=0.002g
1gを0.002gにするためには何倍必要か計算します。
1g×倍率=0.002g
倍率=0.002g÷1g
倍率=0.002
倍数がわかったのでブドウ糖にも同じ倍数を掛けます。
500ml×0.002=1ml
3).比の計算
共通していること:塩酸リドカイン液
10%塩酸リドカイン液10mlの塩酸リドカイン総量を計算します。
10ml×10%=1g
2mgを「g」に合わせます。
2mg÷1000=0.002g
ブドウ糖500mlに塩酸リドカイン総量が入っているため500mlで比の計算をします。
1g:500ml=0.002g:解答ml
1=解答ml×1g
1÷1g=1ml
関連記事に酸素ボンベや点滴滴下の計算もまとめてあるのだ