過去の看護師国家試験を解いて傾向を知り対策をすると合格率が高くなります。平成29年2月19日(日)に実施した看護師国家試験です。
平成29年2月16日(木)に実施した第100回助産師国家試験、平成29年2月17日(金)に実施した第103回保健師国家試験、平成29年2月19日(日)に実施した第106回看護師国家試験の問題および正答を公開する。
厚生労働省より
この記事では看護師国家試験のみ、まとめてあります。
1〜25問が必修問題、26〜90問が一般問題、91〜120問が状況設定問題とされていますが正式な発表はされていません。
合格基準
- 必修問題:40点以上/50点
- 一般問題・状況設定問題142点以上/2点

看護師国家試験の対策もあるのだ
まだ、覚えてない方は見てみると良いのだ
状況設定
次の文を読み91〜93 の問いに答えよ。
Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。
総合病院の消化器内科を紹介され受診した。
時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。
既往歴に特記すべきことはない。
来院時のバイタルサインは、体温36.8°C、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。
血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。
91問
Aさんのアセスメントで正しいのはどれか。
2つ選べ。
- 脱水がある。
- 閉塞性黄疸である。
- 膵炎を発症している。
- 急性腎不全を発症している。
- 鉄欠乏性貧血の可能性がある。
2.閉塞性黄疸である。
5.鉄欠乏性貧血の可能性がある。
92問
腹部造影CTにて膵頭部癌が疑われ、内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉が行
われ、膵液細胞診と膵管擦過細胞診とが行われた。
また、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ〈ENBD〉が行われ、ドレナージチューブが留置された。
処置後18時間、チューブからの排液は良好で、腹痛はなく、Aさんはチューブが固定されている鼻翼の違和感を訴えている。
バイタルサインは、体温37.1°C、脈拍76/分、血圧128/80mmHgであった。
血液検査データは、総ビリルビン11.2mg/dL、直接ビリルビン8.2mg/dL、アミラーゼ96IU/L、白血球9,800/μL、CRP3.5mg/dLであった。
このときのAさんへの看護で正しいのはどれか。
- 禁食が続くことを伝える。
- ベッド上安静が必要であることを伝える。
- 鼻翼にドレナージチューブが接触していないか確認する。
- ドレナージチューブを持続吸引器に接続する準備をする。
3.鼻翼にドレナージチューブが接触していないか確認する。
93問
細胞診の結果、クラスVで膵頭部癌と診断された。
上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。
術後、中心静脈栄養法IVHを行ったがインスリンの投与は必要ないと判断された。
経過は良好であり、食事が開始された。
このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。
- 便秘が起こりやすい。
- 脂質の制限は不要である。
- カロリー制限が必要となる。
- ダンピング症状が起こりやすい。
4.ダンピング症状が起こりやすい。
次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。
Aさん(25歳、男性)は、オートバイの単独事故による交通外傷で救急病院に入院した。
外傷部位は左上下肢で、左脛骨骨折に対しては長下肢ギプス固定をした。
左前腕部は不全切断で、再接着術が行われた。
94問
入院後3日、左足趾のしびれと足背の疼痛を訴えた。
看護師の観察で適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 膝窩動脈を触知する。
- 足背の皮膚色を観察する。
- 足趾の屈伸運動が可能か確認する。
- Volkmann〈フォルクマン〉拘縮の有無を確認する。
- ギプスを数cmカットして浮腫の有無を確認する。
2.足背の皮膚色を観察する。
3.足趾の屈伸運動が可能か確認する。
95問
入院後6日、左前腕部の接着部から末梢側が壊死し、前腕切断術が行われた。
術後4日、Aさんは幻肢痛を訴えた。
看護師の対応で適切なのはどれか。
- 切断端に弾力包帯を巻く。
- 切断端のマッサージを行う。
- 肘関節を屈曲したままにする。
- 鎮痛薬では幻肢痛を軽減できないことを説明する。
1.切断端に弾力包帯を巻く。
96問
下肢は長下肢ギプスから膝蓋腱支持ギプスに変更され、左上肢は義肢が装着されて自宅へ退院することになった。
Aさんに対する退院指導で適切なのはどれか。
- 外出を控えるように指導する。
- 左前腕部に意識を集中しないように説明する。
- 義肢を装着して動作訓練を計画的に進めるよう指導する。
- 受傷前と同じ日常生活動作〈ADL〉ができることを目標に指導する。
3.義肢を装着して動作訓練を計画的に進めるよう指導する。
次の文を読み97〜99 の問いに答えよ。
Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。
失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。
Aさんは介護老人保健施設の短期入所ショートステイを利用している。
入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎が疑われてトイレ付きの個室に移動した。
97問
感染症の拡大を予防する方法で適切なのはどれか。
- 使い捨ての食器に変える。
- 汚物の付着した衣類は焼却処分する。
- 排泄介助を行う看護師はガウンを装着する。
- Aさんの手指を速乾性擦式の手指消毒薬で消毒する。
- Aさんが触れた歩行器を80%エタノールで清拭する。
3.排泄介助を行う看護師はガウンを装着する。
98問
Aさんは下痢と嘔吐の症状が続き、発症当日の夜から、集中力の低下と頻脈とがみられた。
口渇はない。翌朝は症状が軽減したものの、午後になり見当識障害も現れた。
Aさんに起きている状態として最も考えられるのはどれか。
- 脱水
- 硬膜下血腫
- 認知症の中核症状
- 隔離による拘禁症状
1.脱水
99問
発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージIの褥瘡が出現した。
嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。
この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。
- 壊死組織の除去
- エアマットレスの使用
- 撥水性の高いクリームの塗布
- 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取
3.撥水性の高いクリームの塗布
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。
検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。
主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。
母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。
100問
看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「尿量を計測してください」
- 「手術まで外来の受診はありません」
- 「予防接種の時期は主治医と相談してください」
- 「オムツを交換するたびに尿道口を消毒してください」
3.「予防接種の時期は主治医と相談してください」
101問
A君は1歳3か月になり、尿道形成術を行うために入院した。
手術当日、点滴静脈内注射による持続点滴と尿道カテーテルが挿入された状態で帰室した。
創部の陰茎全体はガーゼとフィルムドレッシング材で保護されていた。
手術翌日、ガーゼに茶褐色の血液が付着していた。
創部が排便で汚染されており、ガーゼを外すと創部に軽度腫脹がみられているが膿の付着はない。
尿道カテーテルの周囲から尿が漏れていた。
A君は「ママ」と言い不機嫌に泣いている。
体温37.0°C、呼吸数28/分、脈拍120/分、血圧100/58mmHgであった。
この時点のA君の状態として最も可能性が高いのはどれか。
- 創部痛はない。
- 出血が続いている。
- 創部の感染を起こしている。
- 尿道カテーテルが閉塞している。
4.尿道カテーテルが閉塞している。
102問
A君は、手術を受けて1週が経過した。
全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。
医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。
退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。
退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。
指導で適切なのはどれか。
- 「水分は控えましょう」
- 「入浴は避けましょう」
- 「1日1回導尿をしましょう」
- 「腹ばいの姿勢は避けましょう」
4.「腹ばいの姿勢は避けましょう」
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
A君(2歳6か月、男児)。
両親との3人暮らし。
脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。
話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。
食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。
排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
103問
定期受診のため外来を受診した。
バイタルサインは、体温37.5°C、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHgであった。
両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。
母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。
母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。
- 感染予防
- 筋緊張の緩和
- 排便コントロール
- 呼吸機能の悪化予防
- 睡眠パターンのコントロール
2.筋緊張の緩和
104問
A君の食事について看護師が母親に尋ねると「食べこぼしが多く、食べながらうとうとしてしまい時間がかかるし、十分な量も食べられていません」と話した。
A君の食事に関する母親への指導で最も適切なのはどれか。
- 「経腸栄養剤の開始について医師と相談しましょう」
- 「ホームヘルパーの依頼を検討しましょう」
- 「食事時間を20分以内にしましょう」
- 「ペースト食にしてみましょう」
4.「ペースト食にしてみましょう」
105問
現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。
母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。
父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。
A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。
母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。
- 乳児院
- 病児保育
- 情緒障害児短期入所施設
- レスパイトを目的とする入院
- ファミリーサポートセンター
4.レスパイトを目的とする入院
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。
出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。
バイタルサインは腋窩温37.2°C、呼吸数70/分、心拍数130/分。
出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
106問
児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。
- 体温
- 呼吸数
- 心拍数
- 排尿回数
- 排便回数
2.呼吸数
107問
生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。
身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。
児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。
腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。
児の看護で適切なのはどれか。
- 手足を伸ばして寝かせる。
- 異常な反射があったと医師に報告する。
- 腹部の紅斑が散在している部位を消毒する。
- 腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。
4.腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。
108問
生後3日、児の体重は3,000gになった。
バイタルサインに異常はみられない。
手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。
血清ビリルビン値18.5mg/dL。
母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。
児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。
- 「体温は低下します」
- 「便の回数は減ります」
- 「おむつは外して行います」
- 「直接授乳は続けましょう」
4.「直接授乳は続けましょう」
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(38歳、男性、会社員)。
両親と3人暮らし。25歳のころに双極性障害と診断された。
3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。
無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。
入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。
看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。
食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。
109問
入院後1週が経過した。
Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。
看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 話題を変える。
- 気分転換を促す。
- すぐに良くなると励ます。
- 自殺しないことをAさんに約束してもらう。
4.自殺しないことをAさんに約束してもらう。
110問
入院後4週が経過した。
昨日は、午前中ホールに1回出てきたが、すぐに病室に戻ってしまった。
今朝、看護師がホールに出てきたAさんに「おはようございます」と声を掛けたところ、「おはよう」と答えただけで病室に戻ってしまった。
夕方には他の患者とも会話をしたり、一緒にテレビを見たりするようになった。
看護師が気分について尋ねると「まだ死にたい気持ちが残っている」と話した。
このときのAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。
2つ選べ。
- 過活動である。
- 気分には日内変動がある。
- 自分に注目して欲しいと思っている。
- 行動の回復と感情の回復に差が生じている。
- 看護師に声を掛けられたことに怒りを感じている。
2.気分には日内変動がある。
4.行動の回復と感情の回復に差が生じている。
111問
入院後3か月が経過した。
Aさんは気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。
「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。
Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。
2つ選べ。
- 転職を勧める。
- 上司との面会を設定する。
- 再発のサインを一緒に見つける。
- 自信が持てるようになるまで待つ。
- 作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。
3.再発のサインを一緒に見つける。
5.作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。
入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。
母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。
心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害と診断され、開放病棟へ入院した。
入院時、身長160cm、体重37kgであった。
112問
入院から1週間の期間に観察すべき項目はどれか。
2つ選べ。
- 浮腫の程度
- 過食の有無
- 活動量の低下
- 嚥下障害の有無
- 振戦せん妄の有無
1.浮腫の程度
2.過食の有無
113問
入院後2週が経過した。
Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。
ベッド上でストレッチを2時間行っている。
Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。
看護師の関わりとして適切なのはどれか。
- 体重測定の回数を増やす。
- 鏡でAさんの全身を映して見せる。
- 痩せたいという気持ちについて話し合う。
- Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。
3.痩せたいという気持ちについて話し合う。
114問
入院後3か月が経過した。
Aさんは体重が43kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。
退院の話題が出ると、Aさんと母親は口論することが多くなった。
父親は出張が多く、面会に来たのは一度のみであった。
退院に向けてAさんと家族に勧めることとして最も適切なのはどれか。
- 栄養指導
- 作業療法
- 家族療法
- 単身生活の開始
3.家族療法
次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(70歳、男性)。
妻(74歳)と2人で暮らしている。
Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。
妻が発見直後に救急車を要請した。
救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5°C、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。
115問
救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。
- 体温
- 心電図波形
- 意識レベル
- 尿失禁の有無
3.意識レベル
116問
頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。
入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-30。
体温37.0°C、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。
入室から8時間後、体温37.2°C、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。
このときのAさんの状態はどれか。
- 低酸素脳症
- 脳圧亢進症状
- 髄膜刺激症状
- 正常圧水頭症
2.脳圧亢進症状
117問
入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。
Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。
妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。
妻に対する対応で最も適切なのはどれか。
- 「いつもどおり話をしてあげてください」
- 「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」
- 「リハビリテーションで話せるようになりますよ」
- 「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」
2.「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」
次の文を読み118、119の問いに答えよ。
Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクIIbである。
定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。
Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。
しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。
118問
Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。
最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。
長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。
看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。
- 「先に公園で待っていてはどうですか」
- 「ホームヘルパーの利用をお勧めします」
- 「Aさんに買い物はやめるよう話しませんか」
- 「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」
4.「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」
119問
ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。
長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。
- 筋力低下の有無
- 感染徴候の有無
- 認知機能のレベル
- 全身の皮膚の状態
4.全身の皮膚の状態
次の文を読み120の問いに答えよ。
Aさん(70歳、男性)は、妻と長男との3人暮らしである。
左被殻出血で入院し、歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行い自宅に退院した。
退院時の検査所見は、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール140mg/dL、トリグリセリド150mg/dLであった。
退院後、週1回の訪問看護を利用することになった。
初回の訪問時、血圧は降圧薬の内服で130/80mmHgであった。
右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語があり、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動していた。
Aさん宅は、酒屋を自営しており、1階は店舗、トイレおよび浴室、1階に居室がある。
各階の移動は手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは構造上できない。
Aさんは「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話した。
120問
訪問看護計画に取り入れる内容で最も優先度が高いのはどれか。
- 言語訓練
- 食事指導
- 内服薬の管理
- 排便コントロール
- 階段を昇降する練習
5.階段を昇降する練習